【プロ野球10・19の舞台裏】西武球場の駐車場車内で確認したV3 森監督“タヌキ”な第一声

[ 2021年10月19日 08:01 ]

1988年10月19日、伝説の一日の末に3連覇を決め胴上げされる森監督(中央は清原)
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 今季限りで現役を引退する西武の松坂大輔投手(41)がきょう「10・19」に引退会見を行い、同日の日本ハム戦(メットライフドーム)で現役最後のマウンドに立つ。

 「10・19」といえば「オリックス」「バファローズ」の歴史が変わった33年前の1988年10月19日。昭和最後のパ・リーグのペナントレース。マジック2とした近鉄「バファローズ」が、ロッテとダブルヘッダーを戦った「伝説の川崎劇場」。時間切れ引き分けで散った猛牛軍団の悲壮な戦いはプロ野球の歴史に深く刻まれている。ダブルヘッダー第1試合の途中、大阪市内では、老舗球団阪急ブレーブスが89年4月に「オリックス」に商号を変更することが決まっているオリエント・リースに身売りすることが電撃的に発表されたパ・リーグ激動の一日。今日、プロ野球の「10・19」に新たな歴史が刻まれる――。

  3連覇。監督・森祇晶は薄暗い西武球場で胴上げされた。
 「自分でやった方がいい。こんなもどかしくてつらかったのは初めてだ」
 午後1時に始まった日本シリーズ練習。身が入るはずがない。西武ナインはラジオを聴く報道陣に逆取材し川崎球場の動向を追った。第1試合、3―3のまま9回。ドローなら優勝が決まる。清原、工藤、渡辺久らは真っ白なユニホームに着替えて一塁ベンチでその時を待っていた。佐藤が三、本間に挟まれ憤死するとガッツポーズで盛り上がった。しかし、その直後、梨田の中前打で近鉄が勝ち越すと大きなため息。ロッカーに戻り「一時解散」が指示された。

 石毛、秋山らは車を走らせ球場を出た。寮住まいの清原ら若手はロッカーで第2試合の結果を待っていた。第2試合が始まるころ森監督は愛車で西武球場を出た。高沢の同点弾が出たところで駐車場に戻ってきたが、車をフェンス側に向けて止めた。表情をうかがうことはできない。かすかにラジオの実況が聞こえた。近鉄が勝ったら何も言わず走り去るつもりだったのだろう。延長10回、羽田が併殺に倒れ近鉄の勝利は消えた。静かにドアを開けて出てきた森監督はこう言った。

 「ところで試合はどうなってるんや」

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