【静岡】熱海 ただ一人の女子部員“最後の夏”スタンドで終える

[ 2016年7月18日 14:12 ]

第98回全国高校野球選手権静岡大会1回戦 天竜11-0熱海

(7月17日 焼津)
 ベンチに入れなくても心は9人とともにあった。熱海ただ一人の女子部員、野田知沙都外野手兼投手(3年)は高野連の規定で試合には出られず、最後の夏をスタンドで迎えた。「自分も出たかったけど、プレーしている気持ちで声援を送った」。ナインと同じユニホームで10番を背に声をからし続けた。

 試合開始前には、2年半をともに戦ってきた3年生にメッセージカードを手渡した。「腕を振って、楽しんで」の言葉を受け取った3番・鈴木文大投手は「勝ってあげたいという思いでプレーした」。しかし願いはかなわず0―11の6回コールド敗退。野田は試合後のミーティングで涙をこぼし「つらい時期もみんなが支えてくれた。校歌を一緒に歌おうと言ってくれた…」と感謝した。

 自身は3日に下田南伊豆分校との練習試合を完封で飾り引退。練習に加わりながらサポートに回っていた。卒業後も就職して白球を追い続ける。「野球をするならやっぱり高校野球。(女子も)出られるようにしてほしいです」と未来の女子球児たちを見据えて本音も漏らした。夏は終わったが、野田の野球人生には、まだまだ続きがある。 (鳥原 有華)

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2016年7月18日のニュース