【東東京】都桜修館中教校エース小林16K完封 中高一貫校が進撃

[ 2016年7月18日 05:30 ]

都桜修館中教校のエース小林

第98回全国高校野球選手権東東京大会4回戦 都桜修館中教校2―0立正大立正

(7月17日 大田)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は17日、46大会で372試合が行われた。東東京大会では都桜修館中教校のエース右腕・小林宗弘投手(3年)が立正大立正との4回戦で16三振を奪い、完封勝利。同校初のベスト16に導いた。沖縄大会決勝では嘉手納が美里工を破り、全国一番乗りとなる夏の甲子園初出場を決めた。18日は46大会で324試合が行われる。

 8回に2点を勝ち越し、迎えた9回。都桜修館中教校の小林は最後の打者を見逃し三振に仕留め、右拳を握って雄叫びを上げた。7安打完封で16奪三振。“都立のドクターK”は「ストレートが走り、スライダーが決まったのが良かった」と充実の笑顔を浮かべた。

 2種類のスライダーで相手打線を翻弄(ほんろう)した。鋭く曲がる「横スラ」でカウントを取り、追い込んでからはストンと落ちる「縦スラ」で次々と相手バットは空を切った。4回を除いて毎回三振を奪い、6回先頭からは4者連続三振。0―0の7回には2死から連打を浴びて一、三塁のピンチを背負ったが、空振り三振で切り抜け「気持ちで負けないように投げた」と胸を張った。

 自慢のスライダーを生かすために、5月から直球に磨きをかけた。参考にしたのが、プロ野球のテレビ中継で、球審のヘルメットに固定した小型カメラから撮影した投球映像。日本ハム・大谷、楽天・則本…。球審目掛けて伸びる剛腕の直球を何度も見て「腕をしなるように使う。リリースポイントを前にする」という共通項を確認。意識して投げ込むと、わずか2カ月で球速は5キロアップの最速135キロになった。

 これで今大会は登板した3試合で計21イニング連続無失点、28奪三振。チームも4試合連続の完封勝ちを収め、計32イニング連続無失点だ。都立の中高一貫校である同校が16強入り。渡辺俊輔監督は「小林がよく頑張ってくれた。要所を締め、気持ちで勝てた」とエース右腕に賛辞を惜しまなかった。

 小林は2点を勝ち越した8回に自らのバットで2点目となる右前適時打も放った。投打二刀流の大活躍。19日の5回戦はシード校の修徳と対戦する。快進撃の立役者である背番号1は「低めを心掛けていい投球をしたい」とエースの自覚をのぞかせた。

 ◆小林 宗弘(こばやし・むねひろ)1998年(平10)9月3日、東京都生まれの17歳。小1から原町シャークスで軟式野球を始め、中学時代は世田谷西シニアに所属。都桜修館中教校では1年秋からエース。50メートル6秒4、遠投90メートル。家族は両親、妹。1メートル68、78キロ。右投げ右打ち。

 ▼中等教育学校 中高一貫教育を6年間一体的に行う学校。98年6月の学校教育法改正により、新たに定められた学校種である。前期課程は中学校、後期課程は高等学校の基準をそれぞれ準用し、中高一貫教育校として特色ある教育課程を編成することができるように教育課程の基準の特例を設けている。

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