【東東京】都大島 部員16人の夏終わる 3年生抜け部員8人に

[ 2016年7月18日 05:30 ]

<修徳・都大島>6回1死一、二塁、3ランを放つ都大島・常川

第98回全国高校野球選手権東東京大会4回戦 都大島5―10修徳

(7月17日 神宮第2)
 球場には最後まで都大島ナインを鼓舞するトランペット音が響いていた。しかし、9回の攻撃は3者凡退に終わり、シード校の修徳に5―10で敗戦。部員16人で臨んだ最後の夏を終えた常川主将は「素晴らしい仲間たちと野球が出来て幸せだった」と頬をぬらした。

 一塁側スタンドにはトランペットで校歌を演奏する一人の老人がいた。加藤茂夫さん(79)。大島の中学校で27年間、音楽教諭を務め、天野一道監督も教え子だという。毎年、夏の東東京大会では音色に乗せてエールを届けている。指揮官も「厳しさの中にも優しさのある方だった」と懐かしそうに振り返る。

 大島ナインは試合前日にフェリーなどで約4時間かけて本州の宿舎へ移動し前泊。試合後には再び島に戻る。大会期間中は正直疲れもあったというが、常川主将は3点を追う6回に一時同点となる左越え3ラン。4番の意地をみせ「いつも変わらず聞こえてくる校歌が平常心で戦わせてくれた」と感謝した。

 3年生が抜けると部員は8人となり、来年の1年生が加入しないと単独での出場は難しくなる。天野一道監督は「島の人数が少ないから、来年入ってくるかどうか…」と心配するが、常川主将は「後輩に借りを返してほしい」と話す。加藤さんは来年で81歳。まだまだ応援席からエールを響かせたいという。来年もスタンドで演奏する日が来ることを信じて、練習を続けていくつもりだ。 (畑 大地) 

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