通算3本塁打の田辺広大が常総学院の4番を張るワケ

[ 2021年5月18日 19:48 ]

春季高校野球関東大会 準々決勝   常総学院10―8花咲徳栄 ( 2021年5月18日    山日YBS球場 )

主将、4番、捕手の3役を担う田辺(撮影・柳内 遼平)
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 常総学院(茨城)は花咲徳栄(埼玉)を10―8で下し、4強に進出した。

 主将の田辺広大(こうた=3年)は「4番・捕手」で先発出場。初回は適時二塁打、4回は左犠飛を放ち、好機での一打が光った。公式戦登板の少ない2投手が8点を失ったが、14安打で10点を奪っての逆転勝ちに「今日は、(島田直也)監督さんから“点を取られて、どこまで点を取り返せるかやってみろ”と言われていた。試された試合でした」と笑顔で振り返った。

 日本ハムなどで投手としてプレーした島田直也監督は攻守でけん引する姿に「しっかり引っ張ってくれている。田辺はグラウンドの監督」と称えた。

 二塁送球タイム1・78を誇る強肩捕手。打撃は昨秋まで主に7番だったが、今は強力打線の4番を担う。転機は今春の茨城県大会準々決勝の明秀学園日立戦。4番に抜擢されたこの試合で“ポイントゲッター・田辺”が生まれた。

 「4番に据えてもらったことで堂々と自分のスイングをすることの重要性を学べました」。“ポストが人を育てる”という格言があるが、田辺はまさにそうだった。チャンスで当てにいく打撃は消え、鋭いスイングから快打を連発。準決勝では本塁打も放った。通算3本塁打と一発の期待は薄いが、田辺が4番に定着して以降、チームは5試合で50得点を挙げている。

 春季関東大会は甲子園出場につながる大会ではないが、負けられない。「去年の(秋季)関東大会は準優勝。関東大会の借りは、関東大会でしか返せない」。名門復活を目指すチームとともに成長を見せる主将は力強かった。(柳内 遼平)

 ◇田辺 広大(たなべ・こうた)2004年2月21日生まれ、神奈川県横浜市出身の17歳。幼稚園年長で野球を始める。市場中では川崎中央リトルシニアでプレー。部活動で所属した陸上部ではジャベリックスローで3年秋に神奈川県1位。常総学院では昨秋からベンチ入り。通算3本塁打。遠投110メートル。二塁送球タイム1・78。50メートル走は6秒6。1メートル73、75キロ。右投げ右打ち

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