リアル二刀流 日体大・矢沢 元中日・辻孟彦コーチの下、長期プランで磨いた“投手力”

[ 2021年5月18日 05:30 ]

来秋のドラフト候補 日体大・矢沢宏太投手

矢沢(右)を投手として育てた辻コーチ(撮影・柳内 遼平)
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 日体大は18年の西武ドラフト1位の松本航から20年の中日同2位の森博人まで、3年連続でドラフト上位指名の投手を輩出。好投手が育つ背景には、投手として中日でプレーした辻孟彦コーチ(31)の存在が大きい。

 高校時の矢沢は1試合で2桁の四死球を出すほどの制球難。辻コーチの第一印象は「時間がかかる。野手の感性はあるが、投手でも(感性を)つけていく必要があると思った」だった。入学最初の沖縄・久米島キャンプ。投打両方の練習を半々で実施し、スイングで背中を痛めて投球練習ができなくなった。以来、練習はほぼ投手メニューで体づくりに専念。日々、投手メニューは約2時間、野手練習は15分の打撃練習のみとなった。だが、矢沢は空き時間で素振りなどを消化。辻コーチは「放っておいてもやる子だった」と話す。

 2年間の長期プランで磨いた投手。「フォームの再現性が高くなり、リリースポイントのずれが少なくなった」とし昨秋以降「投手全員のなかでも一番成長している」と評価した。武器は左腕から繰り出すスライダー。回転数の測定で3000回転を超え「7年間、指導してスライダーが3000回転を超える投手は初めて」だという。昨秋の時点で今春終了後の方向性決断を考えていた。「ここまで投手として成長したことで、決めつけずに両方とも上を目指した方がいいのかなと思っている」と辻コーチ。可能性は広がる一方だ。

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