「9回打ち切り」ルールで何が起こっている? セ・パ交流戦前に変化をチェック

[ 2021年5月18日 09:00 ]

阪神のクローザー・スアレス
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 プロ野球は各チーム40試合前後を消化した。今季は新型コロナ下で時間短縮を目的に「9回打ち切り」ルールを採用。25日に開幕するセ・パ交流戦を前に、今年起こっている変化を整理したい。

【(1)引き分けの激増】
 18日の試合前時点で、12球団の総引き分け数は74試合。各チームが143試合を戦う今季終了時点では、計259試合の引き分けペースとなっている。

 前回143試合を戦ったのが19年シーズンで、延長は12回まで戦われた。同年の12球団の引き分け総数は計44試合。今年は現時点ですでに30試合も多い。いかに爆発的ペースかということが分かる。

【(2)中継ぎ投手の登板過多】
 7、8、9回はより緊迫した展開になっている。同点や1点ビハインドでも勝ちパターンの継投策が多く見られる。セ・リーグの首位を走る阪神では、セットアッパーの岩崎が40試合中21試合に登板。クローザーのスアレスは20試合でマウンドに上がっている。

【(3)ベンチ総動員】
 延長がないため9回から逆算して選手を送り出す。早めの代打策や、惜しみなく守備固めを起用する傾向が見える。巨人は代走の切り札である増田大を、終盤の早い段階から送り出して1点をもぎ取りにいっている。

 新たなルール下での試合は必ず一長一短がある。観る人の考えも十人十色。ただ、新型コロナに日常が奪われた今も、野球を見ることができる喜びがある。新ルールへの文句は言うべきではない。 (記者コラム・神田 佑)

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