中畑清氏、楽しみな筒香の「ダジャース」デビュー 基本の打撃フォーム取り戻して好スタートを

[ 2021年5月18日 06:05 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】16日はいい日曜日だったなあ。まずは午前11時に筒香嘉智から電話があってさ。声が弾んでる。

 「どうしたんだ?」
 「トレードになりました」
 「どこ?」
 「ドジャースです」
 「ドジャースじゃないよ。“ダジャース”って言うんだよ」

 うれしくてさ。つい教えてあげた。現役時代の1981年、米フロリダ州ベロビーチ、ド軍との合同キャンプで身につけた本場の発音だ。

 それはともかく、よかった。レイズを戦力外とされてマイナーか自由契約かと思っていたら、メジャーでプレーが続けられることになったんだ。しかも去年のワールドチャンピオンだよ。

 いい再スタートを切ってほしくてさ。気になっていた打撃フォームについて少し話をさせてもらった。ちゃんとテークバックを取り、しっかりトップをつくってからスイングしていく。基本中の基本。今季はそれができてなかったんだ。

 「頑張ります!」

 筒香の弾んだ声に元気をもらって、午後2時からはテレビ桟敷に陣取った。佐々木朗希のデビュー戦。去年の石垣キャンプから1年3カ月、満を持しての初登板だ。

 さすがにモノが違う。5回に入って149キロが何球かあったけど、4回までストレートは全て150キロ台。制球もいい。特に左打者の外角への制球は安定してた。なぜか森友哉にだけ投げた内角球を他の打者にも使えば、投球の幅が広がるし、球数はもっと少なくなるんじゃないかな。

 テンポが良く、3ボールになっても動じない。野手は守りやすく、いいリズムで自分たちの攻撃に入っていける。6点の援護点をもらったのも無関係じゃないと思うよ。チームを乗せていける投手と感じたね。課題は配球と5盗塁を許したクイックモーション。どう修正してくるかな。

 この日は通算2001試合目となる「伝統の一戦」もあった。阪神が6―5で逃げ切って、節目の3連戦を2勝1敗と勝ち越し、巨人との差を4・5ゲームに広げた。

 筒香の「ダジャース」デビュー、佐々木朗の次回登板、そして今後のGT決戦…。楽しみが膨らむ日曜日だった。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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