関本賢太郎氏 復帰間近の阪神・大山、まずは6番で起用を 当面の4番は佐藤輝がこなせる

[ 2021年5月18日 07:30 ]

1軍復帰を目指す阪神・大山(撮影・後藤正志)

 【関本賢太郎 視点】大山の1軍復帰が近づいてきた。ケガ明けでいきなり4番をできないことはないが、まずは6番からスタートすれば良いと思う。4番としての実績があるとはいえ、4日ヤクルト戦を最後に1軍の試合から遠ざかっている。これだけ間隔が空いてしまうと誰しも入りは不安になるもので、いきなり結果を出すのは簡単ではない。仮に1、2試合ノーヒットが続くと、選手は「あれ?」となってしまい、焦りも出てくる。いずれは大山を4番に戻す時が必ず来るのだから、復帰から当面は6番が妥当だろう。

 それを可能にしているのは、佐藤輝が4番としての役割を十分に果たせているからだ。キャンプから見ているが、「状態が落ちてきたな」と感じたことが一度もない。結果として凡打が続くことは当然あるが、打線の一員として「何もできない」ということがない。調子の悪い日があったとしても、必要に応じて進塁打や犠牲フライを打てる技術が佐藤輝にはある。かつての金本さんがそうだったように、“つながりのある打撃”ができる選手だし、だからこそ、首脳陣から4番を任されているのだろう。

 1軍デビューを果たしてから20打席無安打(1四球)のロハス・ジュニアは1軍の投手に対してタイミングを取れていない。タイミングが合わずピッチャーのボールに距離が取れないから、打球が上がらない。これは日本の野球に慣れる以前の状態で、言うなれば春季キャンプの前半に久々の実戦を経験したぐらいの感覚ではないだろうか。ファームの29打席も含めて来日から49打席を消化しているが、額面通りに受け取れない。なぜなら、春季キャンプ中の打ち込みがあってこその物差しになるからだ。

 これから先、状態を上げていくためにはファームで多くの打席に立つべきだろう。遠征の合間に残留して打ち込みも加えていけばボールの見え方、見逃し方が変わってくる。韓国で2冠を獲ったキャリアと技術があれば、ロハス自身の感覚さえ戻ってくれば1軍で勝負できる。残り103試合。その力が必要になるときは訪れるのだから、焦らず浮上のきっかけをつかんでほしい。(本紙評論家)

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