広島・森下 V打&1失点完投で新人王グイッ!黒田以来の球団新人“セ界制圧”巨人・戸郷を抜き去り9勝目

[ 2020年10月25日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2―1DeNA ( 2020年10月24日    横浜 )

<D・広>8回2死二塁、右前適時打を放ちガッツポーズの森下(撮影・島崎忠彦)
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 広島・森下暢仁投手(23)が24日のDeNA戦で2度目の完投勝利で9勝目を挙げた。新人王を争う巨人・戸郷を勝利数で初めて上回り、球団新人では97年黒田博樹以来のセ・リーグ5球団全てから勝ち星。8回には初の決勝打も放った。規定投球回に再び到達し、防御率2・04はリーグ2位。新人王へ大前進した。

 森下による森下のための試合だった。ドラフト制以降の球団新人では史上初となる完投勝利と決勝打の同時達成。「今日に懸けるという言い方はおかしいかもしれないけど、とにかく勝つという気持ちだった」。これまで以上の勝利への欲求は、2度目の完投勝利として実った。

 3回、乙坂に先制打を許して以降、無安打投球で援護を待った。111球を数えながら、同点の8回1死一塁の打席でも代打を送られなかった。菊池涼の二盗後に2ストライク。3球目、平田の外角低めスライダーに腕を伸ばした。「とにかく前に飛ばそうという気持ちだった」。何とか拾った打球が一、二塁間を抜ける勝ち越し打。万歳して喜んだ。

 8回を8球で片付けて計119球。佐々岡監督に「(9回も)行きます」と直訴した。9回2死からオースティンに許した左翼線への安打では野間が二塁進塁を阻止。熱投は135球で幕を閉じた。

 「行くしかないという気持ちだった。球数的にも代わる状況で行かせてもらった。最後までいけて良かった」

 6月21日のプロ初登板が同じ横浜スタジアムだった。7回無失点で代わった後に逆転負け。以来、唯一白星がなかったDeNAを「何が何でも勝つ」と意識した。降板後に勝利投手の権利が消滅したのは計3度。今では球数に関係なく続投を認められるまでの信頼を得た。10月は4戦3勝、防御率0・31。約1年前の10月17日にドラフト1位指名された時から掲げてきた新人王の目標へ、ラストスパートは力強い。

 「すぐそこにつかめるタイトル(新人王)がある。獲りたい気持ちでやっている。自分が(戸郷を)上回って獲りたい。あと1勝したいという気持ちもある。ここまで来たら、つかまないといけない」

 残る登板は2度の見込み。シーズン規定投球回には残り5回1/3とした。投げる度に悲願達成に近づいていく。(河合 洋介)

 ≪ルーキーではドラフト制以降チーム初の快挙≫森下(広)がV打を放ち完投で9勝目。広島新人投手の勝利打点は97年7月29日巨人戦の沢崎俊和以来23年ぶり。V打&完投勝利となるとドラフト制以降チーム初の快挙になった。また、広島で新人に限らない完投勝利と勝利打点の両立は09年ルイス以来。日本人では06年5月20日、日本ハム戦の黒田博樹以来だ。なお、森下はDeNAに初めて勝ち、セ5球団全てから勝利。広島新人ではこちらも97年の黒田以来となるセ対戦5球団勝利も達成した。これで新人王を争う戸郷(巨=8勝)を勝利数で初めてリード。防御率、奪三振などは以前から上回っており、タイトルに向け優位に立った。

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