落合博満氏 「誰が漏らしたかは知ってる」09年WBCの中日全選手代表辞退で漏れた極秘情報

[ 2023年2月28日 17:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が28日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル #オレ流トレンド」を更新。2009年に行われた第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)選手選考で中日の候補選手が全員「辞退」して派遣選手0人だったことは知られているが、当時の中日監督であった落合氏の口から、今だから話せる秘話が語られた。

 10日に配信されたオレ流チャンネルでも触れていたが09年、WBCの日本代表選考において、中日選手全員が辞退したことで、当初は公表しないとされていた辞退者の名前が公になり、非協力的だとして大バッシングを受けた。「あの年はね~、各球団に候補者名簿を渡して、それで“返事をください”と。で、これは絶対外に漏れないような極秘なことなんで…っていうことで球団にリストが届いたの。そっから選手に言って。そしたら、選手たちが2008年の北京(五輪)の岩瀬(仁紀)のことがあってね。まあ“俺らも行って、またこういう(岩瀬のような)目に遭うのは嫌だな”っていうようなものが(候補の選手たちに)感情的にあったんだと思う。そしたら“できたら断ってください”っていうようなことが全員、俺のところに言ってきたんだわ」とNPBからのリストの存在や、候補選手として名前が書かれた選手との詳細なやりとりを明かした。

 落合氏の「北京の岩瀬のこと」とは、前年08年に行われた“野球が五輪から消える”最後の大会となった北京で、韓国との準決勝でイ・スンヨプに本塁打を打たれるなど大会3敗を喫し“金どころかメダルを取れなかった大きな要因”と大バッシングを浴びたこと。チームも川上、岩瀬、荒木、森野に加え、台湾代表からはチェンも選出されるなど主力5人がも抜かれた中日は巨人、阪神に次ぐリーグ3位と苦しみ、優勝した巨人とは12ゲーム差も離される完敗の一年となった。

 落合氏は続けて、リストには「5~7人ぐらい入っていたと思う。全員がああいう目に遭いたくないっていうかね。直にみんな見てるもんで。どれだけ大変だったのかっていうのは想像がつくんでね」と候補者リストの人数を回顧。選手らに「“個人的に断るか?”って言ったら“まとめて断ってください”っていうようなことで“じゃあ球団として断る”っていうことで返事をしたんだわ。それが漏れたっていうだけのこと。内密のことだから、それは漏れたら“誰が漏らしたんだ”ってなるじゃない。誰が漏らしたかは知ってるけどね。あえて名前は言わないけども。よその球団でも辞退した選手はいるんだよ。それらは守られていたんだ。だからウチだけ球団で全員行かせないような方向性を出したのか、監督が自ら行かせないようにしたのかっていうようなこと(が憶測として報じられた)。それで新聞沙汰になったけども。実際は、行く行かないの権利っていうのは選手が持っているんであってね。選手が行きたくないって言えば、それはそれで筋は通るはずなんだけども、ややこしくしちゃった」とプロ野球史に残る“事件”をしみじみと思い返していた。

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