王将戦連勝ならず1勝1敗のタイに藤井王将「なかなか思わしい変化が見つからなかった」 

[ 2023年1月22日 18:15 ]

<第72期王将戦 第2局第2日>対局に臨む藤井王将(左)と羽生九段(右)
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第2局は22日、大阪府高槻市の摂津峡花の里温泉・山水館で第2日を行い、羽生善治九段(52)が藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に101手で勝利した。史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決は1勝1敗となった。

 羽生の深い研究が光った一局だった。相掛かりの出だしから、互いの出方を見つつ慎重な駒組みが続く。穏やかな進行になるかと思われたが、羽生が指した45手目▲2五飛以降、流れが一気に急速に。59手目には▲8二金の絶妙手も飛び出し、攻めをつなぐ羽生。受けの力が求められる展開になった藤井は74手目△7七銀で攻めに転じ勝負に出たものの、羽生が落ち着いた指し回しで回避。羽生九段が反撃の1勝をつかみ取った。

 対局後、藤井王将は終始うつむきながら「(相掛かりは)予想していたわけではありませんが、序盤は自分としても経験がある形だったので、それに沿って指していました。金で受けられてからははっきりしてしまったかなと思って、その前に何かあったかどうかというところです。なかなか思わしい変化が見つからなかった」と劣勢を打開できなかった苦しい胸の内を語り、積極策に出た羽生九段の勝負強さを感じた様子だった。

 次戦の第3局は、1月28、29日の両日、石川県金沢市の「金沢東急ホテル」で行われる。藤井王将は「またすぐ来週にあるので、しっかり良い状態で臨めるようにしたいと思います」と前を向いた。

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