【芸人イチオシ】ママタルト、心配も希望も渦巻くルームシェアから学んだこととは?

[ 2023年1月22日 10:00 ]

スポットライトの光を浴び、ポーズを決めるママタルトの檜原洋平(左)と大鶴肥満(撮影・木村 揚輔) 
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 「芸人のルームシェアはお金に困る20代まで!節約目的ではなく、そこから独り立ちしようとする思いが大切でした」

 2人で口をそろえるのは「ママタルト」。180キロの巨漢に「まーごめ」のフレーズでなじみの大鶴肥満(31)と大喜利にめっぽう強い檜原洋平(31)のコンビだ。

 それぞれルームシェアを経験している2人が感じたこととは。
 大鶴は2020年7月からオズワルドの伊藤俊介、蛙亭のイワクラ、森本サイダーと暮らし始めた。この模様はテレビ朝日「爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!」で密着され、大きな注目を集めた。

 M―1グランプリ、、キングオブコント、R―1グランプリの各賞レースのファイナリストに囲まれた生活は「負い目やプレッシャーがあった」としながらも「売れっ子の姿に刺激を受けた」と振り返った。

 この家に入居するまでの半年間は別の芸人たちと住んでいた。動機はお笑いの勉強と金銭面。だが、節約ばかりに注力する雰囲気に「芸人生活にプラスじゃない。ケチになるとお笑いのレベルも下がる」と焦った。

 そんな時に伊藤ら3人が共同生活を始めるにあたり、追加の1人を探していることを聞きつけ「売れている世界を間近で見てみたい」と応募。約15人の中から見事にその枠を勝ち取った。

 念願の共同生活が始まると「ここまで家に帰らない人がいるんだ」と売れっ子の忙しさを目の当たりに。伊藤が札幌、大阪、博多などでの仕事が続き3週間ほど帰らなかった時は「パ・リーグの移動か!」と思わず心の中でツッコんだという。

 その光景に尻に火が着いて忙しくない自分に焦りを感じ、ネタ作りをする檜原の尻をたたきにたたいた。

 もともと伊藤ら3人とは「2年でみんな売れるぞ」と誓い合っていたが、その言葉通り、大鶴は伊藤らと暮らし始めて1年でアルバイトを卒業。入居先の建物解体の時期に合わせて、昨年6月から独り暮らしを開始した。

 一方の檜原は芸人とのルームシェアを17年に都内のマンションでスタート。現在はZAZY、フリーで活動する大久保八億と暮らしている。

 檜原も同居人から刺激を受けている。R―1ファイナリストのZAZYは賞レースに向けネタを磨き上げるためにライブの年間スケジュールを綿密に組み立てるという。その姿を参考に「自分たちのM―1に向けたライブのスケジュールの組み方を考えています」。

 そんな檜原も今年3月に独り暮らしへと移行する。背景は大鶴とはまったく違う。以前は5人の芸人と同居していたが、そのころに比べて活気がなく、高め合う環境ではなくなってしまったという。

 「貯金もできてたし、ちょうどいい機会。今の作業机はB5のノートも満足に広げられない。新居では大きい机でネタ作りに専念できる」と前向き。また「残りわずかですが、僕のところにも密着に来てください!」とテレビ局へ呼びかけた。

 ルームシェアの終わり方は千差万別だが、2人が共通して口にしたのは「テレビは遠い世界じゃないと教えてくれた」。これまではテレビにビビっていたというが、同居人が躍動する姿を見て「こいつらがいけるならおれもできる!」と度胸もついた。

 ママタルトには賞レースのファイナリスト経験はないものの、2人のルームシェア相手にはファイナリストがずらり。今年こそ“仲間入り”を目指す。そして多くの番組に呼ばれて一緒に暮らしていたメンバーと現場で再会することを夢見る。「それもルームシェアの醍醐味(だいごみ)です」と満面の笑みを浮かべた。

 こんな話もある。かつては、男性ブランコの平井まさあきも檜原やZAZYらと共同生活を送っていた。ZAZYは他人に「そんなんじゃ売れん」など強くあたることが多かったといい、平井は、その“毒々しい”環境を脱出してからキングオブコントとM―1で決勝進出を果たした。

 貧乏神はZAZYか。ママタルトがM―1決勝に進出したあかつきには、ルームシェアでは「ZAZYがキングボンビー説」(大鶴)が立証されるかもしれない。

 ◆ママタルト 2016年結成。21年、22年と2年連続で「ツギクル芸人グランプリ」で決勝進出。22年の「M―1グランプリ」では初の準決勝進出。

 ◇檜原 洋平(ひわら・ようへい) 1991年(平3)7月27日生まれ、大阪府出身の31歳。神戸大卒。趣味はカレー作り、特技はぷよぷよ。

 ◇大鶴 肥満(おおつる・ひまん) 1991年(平3)7月20日生まれ、東京都出身の31歳。明大卒。趣味は漫画、特技はぷよぷよ、食べ放題。

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