羽生九段の周到な事前準備 ▲7七角からの本譜の進行

[ 2023年1月22日 05:05 ]

第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第2局第1日 ( 2023年1月21日    大阪府高槻市 摂津峡花の里温泉・山水館 )

A図(47手目▲8五飛まで)
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 【関口武史・第1日のポイント】藤井王将の先勝を受けて本局の羽生九段は相掛かりを選択。前日のインタビューで「先手番は戦型の方向性を選択できる強みがある」と述べており、▲7七角からの本譜の進行は、事前準備の周到さを感じさせる展開となった。

 前例から分かれた藤井の△4四同銀を見て、ノータイムで▲1五歩と勢いよく仕掛けた一手に、本局に対する気合が垣間見える。

 藤井が82分の長考で△3三角と局面の収束を図っても攻め足は止まらない。▲8五飛(A図)と、飛車の大転回を決行し、一気に激しい戦いに突入した。

 やや乱暴にすら映る大さばきだが、数手後の▲1四角の切り札を忍ばせた英断、さらに▲8二金と異筋にも見える食い付きで後手陣に迫る。羽生の猛攻が敵陣を食い破るか否か注目だ。(スポニチ本紙観戦記者)

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