“将棋のまち”の勝負手 フィンガーダンス動画でPR 昨年12月公開「高槻棋風」 王将戦第2局追い風に

[ 2023年1月22日 05:30 ]

第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第2局第1日 ( 2023年1月21日    大阪府高槻市 摂津峡花の里温泉・山水館 )

フィンガーダンスと将棋をコラボさせて高槻市をPRしている動画「高槻棋風」(YouTubeから)

 決戦の舞台となった高槻市をPRする動画「高槻棋風」が話題を集めている。音楽に合わせて指先でさまざまな形をつくる「フィンガーダンス」と、将棋をコラボした約3分半のYouTube動画。将棋ファン以外にも注目されている。

 動画には、世界大会で2度の優勝を誇る日本人フィンガーダンサーNARI Digitz氏と、関西を拠点に活動するTakumi氏が出演。今回の舞台である山水館の和室で将棋盤を挟み、手先で美しい模様を描いて将棋を指し合う中で、市の観光スポットの映像も流れる。同市とポニーキャニオンがタッグを組み制作。同社の担当者は「将棋に興味のない方からの反応も多く“指の動きが格好いい”などの声も多く頂く」と手応えをのぞかせている。

 フィンガーダンスは、2014年に世界で大ヒットした米歌手テイラー・スウィフト(33)の楽曲「シェイク・イット・オフ」のミュージックビデオに振り付けが採用されて人気に火がついた身体表現の一つ。近年では若年層を中心にTikTokでも、さまざまな動画が投稿されている。同担当者は「将棋を指す指の動きにフィンガーダンスを組み合わせたら面白い映像ができると思った」と企画の背景を明かした。

 動画は昨年12月に公開され、約1カ月で5万回再生された。自治体のプロモーション動画としては異例の数。共に企画に関わった高槻市の木下友哉さん(34)は「これをきっかけに高槻市に興味を持ってもらえれば」と期待を寄せる。王将戦の第2局が追い風となり、さらにファンを獲得できるのか注目が集まる。

 ≪自治体とコラボ地方創生に一役≫ポニーキャニオンは2017年に地方創生に特化した部署「エリアアライアンス部」を設立した。これまで多くの自治体とコラボし、250以上の動画を公開してきた。深海魚が有名な静岡県沼津市とは、「深海魚の謎につつまれたまちは実在した!」とあおりながら昭和のオカルト番組風に市をPRする動画を制作。千葉県習志野市とのコラボでは、女子高生が市内を走り回りながら観光スポットを紹介する内容など、斬新な作風が注目を集めている。

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