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多芸多才な兄、歌舞伎を守り伝えた弟…松本白鸚 吉右衛門さんを称える「祖父の芸を一生かけて成し遂げた」

[ 2021年12月1日 21:35 ]

 06年、歌舞伎公演「元禄忠臣蔵」の製作発表を行った(左から)松本幸四郎、坂田藤十郎さん、中村吉右衛門さん
Photo By スポニチ

 歌舞伎俳優の中村吉右衛門(なかむら・きちえもん、本名・波野辰次郎=なみの たつじろう)さんが11月28日、心不全のため東京都内の病院で死去した。77歳だった。東京都出身。1日、松竹が発表した。

 実兄の二代目松本白鸚(79)と吉右衛門さんは、兄弟であり、最高のライバルでもあった。白鸚は「別れはいつも悲しいものです。今、とても悲しいです。たった一人の弟ですから」と悲痛なコメントを寄せた。

 2人は吉右衛門系の「播磨屋」と、幸四郎系の「高麗屋」の血を継ぐサラブレッド。吉右衛門さんは、跡継ぎがいなかった祖父の初代中村吉右衛門さんの養子として育てられ、播磨屋を継いだ。

 若手時代は、歌舞伎以外にも多彩な舞台歴を誇った派手な兄が先んじ、吉右衛門さんは人気面では影に隠れる形で“後から来た男”と言われたが、同世代の間では抜きんでた技量を背景に、存在感を増していった。

 白鸚が、70年から続けるライフワークのミュージカル「ラ・マンチャの男」のほか、フジテレビのドラマ「王様のレストラン」など歌舞伎以外に軸足を置いた中、吉右衛門さんの軸は常に歌舞伎にあり、より豊かな表現を求め、技を磨いた。その結果、兄より先に人間国宝に指定されるまでになった。

 白鸚は「祖父の芸を一生かけて成し遂げました」と弟を称え、「病院での別れの顔は、安らかでとてもいい顔でした。播磨屋の祖父そっくりでした」とつづった。

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