「鎌倉殿の13人」3DCG地図が再登場「真田丸」に続き「信長の野望」シブサワ・コウ氏が6年ぶり監修

[ 2021年12月1日 15:00 ]

来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の3DCG地図監修を務めるシブサワ・コウ氏(C)NHK
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 来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(1月9日スタート、日曜後8・00)に、2016年「真田丸」で反響を呼んだ“3DCG地図”が再登場することが1日、分かった。この日、開設された番組公式サイトで発表された。歴史シミュレーションゲームの元祖「信長の野望」の生みの親、シブサワ・コウ氏が再び「3DCG地図監修」を担当。6年ぶりに強力タッグを組む。シブサワ氏は「『真田丸』で好評だった3Dマップを『鎌倉殿の13人』で再び使っていただけるということで非常にありがたく思っています」と喜んでいる。

 大河ドラマの新しい映像表現として話題を集めた3DCG地図がよみがえる。

 「鎌倉殿の13人」はヒットメーカーの三谷幸喜氏(60)が脚本を手掛け、俳優の小栗旬(38)が主演を務める大河ドラマ61作目。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に繰り広げられるパワーゲームを描く。三谷氏は04年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本、小栗は大河初主演に挑む。

 シブサワ氏はゲーム会社「コーエーテクモゲームス」のゼネラルプロデューサー。「シブサワ・コウ」はコーエーテクモホールディングス代表取締役社長・襟川陽一氏のクリエイターネーム。ゲームプロデューサーとして、1981年に「川中島の合戦」、83年に「信長の野望」を発売。歴史シミュレーションゲームの先駆けとなった。94年には源平の時代を舞台にした「源平合戦」も手掛けたほか、ゲーム「三國志」シリーズ、「決戦」、「仁王」などをプロデュースした。

 シブサワ氏は同局を通じ「大河ドラマ『真田丸』で好評だった3Dマップを『鎌倉殿の13人』で再び使っていただけるということで非常にありがたく思っています。マップは『真田丸』の時よりもバージョンアップして、高精細化していますので、日本列島の山や渓谷、河川などがはっきり、くっきりと表現されています。そういった部分を楽しんでいただければ幸いです。鎌倉時代を描いた大河作品ということで、94年に発売した『源平合戦』という歴史シミュレーションゲームで源氏と平家の戦いをゲームファンの皆さまに楽しんでいただいたことを、大変懐かしく思い出しています」とコメントした。

 「真田丸」第1話(1月10日)の終盤。真田信幸(大泉洋)信繁(堺雅人)の兄弟が、新府城から父・昌幸(草刈正雄)の待つ岩櫃城に向かうことを説明するシーン。「37里、歩いていけば3日の行程」というナレーションとともに、3DCG地図で新府城―岩櫃城のルートが関東平野から日本海・佐渡島を含んだ“引きの画(絵)”で示され、その距離感、山を越える困難さが一目瞭然。 斬新な表現は「分かりやすい」と、たちまち評判になった。

 大河に携わるのが5作目だった仕掛け人の清水拓哉プロデューサーは当時、「作品を楽しんでいただく上で、大河はどうしても歴史状況を説明しないといけません。その部分の表現が今までの方法で十分だったかという反省は、自分の中にありました。歴史状況はしっかり伝えなければいけないと思っていました」。例えば、武将がどこからどこへ出陣したという時、従来は行軍する映像にナレーションを付けるなどしたが、視聴者に実感として伝わっていたか。

 新しい映像表現を模索する中、83年に第1作が発売されてから30年超の歴史を誇る「信長の野望」にたどり着き、早速「信長の野望」を手掛けるコーエーテクモゲームスにオファー。ゼネラル・プロデューサーのシブサワ・コウ氏が技術提供・監修を行うことが決まった。

 具体的には、最新作「信長の野望・創造」の「フル3D全国一枚マップ」のCG技術を使用。長くても10秒という「1回の3DCG地図表現」を制作するのに、約1カ月の時間を要する力作となった。

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2021年12月1日のニュース