流行語トップ10「ぼったくり男爵」 もう一つの和訳候補は?「もやもやしていた日本人の心に響いた」

[ 2021年12月1日 15:34 ]

IOCのバッハ会長(AP)
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 年末恒例の「2021ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)の発表・表彰式が1日、都内で行われ、トップ10には「ゴン攻め」「ビッタビタ」のほか、「ぼったくり男爵」「スギムライジング」と、東京五輪・パラリンピック関連の言葉が3候補(4語)、入った。

 「ぼったくり男爵」は、新型コロナ感染爆発の中、東京五輪を開催を強硬に主張した国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長をやゆした表現で、米ワシントン・ポスト紙のコラムに登場した「Barron Von Ripper-off」を和訳したもの。開催前から来日中、さらに閉幕後の「銀ブラ」に至るまで、同会長のツッコミどころ満載な言動は、この表現にぴったりだった。

 「Barron」は男爵、「Von」は貴族に付けるドイツ語の前置詞、「Ripper-off」は「はぎ取る」「食い物にする」「搾取する」「法外な値を求める」という意味という。和訳は共同通信社によるもので、同社外信部の渕野新一副部長は「ワシントン支局の同僚が語呂良く日本語に直してくれました」と説明。「東京五輪の開催をめぐって、当時もやもやした気分を抱いていた日本の人たちの心に響いたのかなと思います。受賞の栄誉をワシントン・ポスト紙のコラムニストとともに分かち合いたい」とコメントした。

 当初は「追いはぎ男爵」という言葉も候補に挙がったが、渕野氏は「今回のケースで言うと、ちょっと状況に合わないとワシントン支局で判断したみたいで、地元のアメリカ人の助手といろいろ話をして、ぼったくり男爵に決めたみたいです」と説明した。

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2021年12月1日のニュース