巨人・戸郷「緊張」プロ初聖地で成長見せた4勝目 足震えても自身初10K!!

[ 2020年8月6日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4―1阪神 ( 2020年8月5日    甲子園 )

<神・巨>4回のピンチを切り抜け笑顔の戸郷(撮影・大森 寛明)
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 緊張から足が震えているのが分かった。巨人・戸郷にとって高2の夏以来の聖地、甲子園のマウンド。負けん気が売りの右腕にとって、プロの大舞台でも初めての感覚だった。

 「(足の震えは)高校2年生以来かな。ちょっと緊張してるのかなとは思った。でも楽しめたので良かった」

 成長を証明した。「真っすぐを意識した」と、内角を攻める強気の投球。106球中、半分の53球が直球だった。高校時代は140キロ台だったが、この日の最速は152キロ。しかも53球中30球が150キロ超と力強さは格段に増した。阪神打線の懐を攻め、「内角を意識させることでスライダーが生きる」と手玉に取る。7回0/3を4安打1失点で三振は初の2桁10個を数えた。

 聖心ウルスラ学園の2年生エースとして、17年夏の甲子園に出場。初戦を突破し2回戦の聖光学院戦で2回の投球中、左足首をひねった。痛みを我慢して投げたが8回途中で降板し敗戦。仲間に肩を抱かれて号泣し「もう一回戻ってきます」と誓ったがかなわなかった。

 この甲子園の経験がプロを強く意識するきっかけになった。それまで口にしなかったが「上のレベルでやってみたい」と周囲に話すようになった。厳しい走り込みや投げ込みを自身に課しプロテインも摂取。体づくりに努力を重ね、球速大幅アップにつなげた。

 過去2試合は好投しながら、いずれも2被弾に泣いた。この日は全力で腕を振って本塁打を許さず、3試合ぶりの今季4勝目。チームの貯金を今季最多12とした。「投球術は毎年進化しているし、相手もプロなので対戦していて楽しい」と3年間の成長を実感した。

 ただ、聖地は再び壁も与えてくれた。高2の夏と同じ、8回途中で降板。「(8回は)1アウトも取れずに降板したので、次の反省として生かしたい」。この経験も、20歳にとっては成長の糧になる。(田中 健人)

 ≪巨人右腕で高卒2年目までに1試合2桁奪三振は桑田以来≫高卒2年目の戸郷(巨)がプロ初2桁となる10奪三振で4勝目。高卒2年目までに1試合2桁奪三振は、18年10月2日ソ フトバンク戦で2年目の種市(ロ)が10奪三振して以来。巨人では03年8月21日横浜戦の林昌範(11奪三振=2年目)以来で、右投手は87年7月8日広島戦の桑田真澄(10奪三振=2年目)以来33年ぶり。

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