黒田氏提言届いた!? 広島 2番堂林の超攻撃的布陣で今季初3連勝

[ 2020年8月6日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4-1ヤクルト ( 2020年8月5日    神宮 )

<ヤ・広(7)>7回、右中間にソロを放ち、雄叫びをあげる堂林(撮影・木村 揚輔)
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 広島は5日のヤクルト戦(神宮)に4―1で快勝。3年ぶりに2番起用された堂林翔太内野手(28)が機能した。同点の5回に進塁打で長野の決勝二塁打をお膳立てすると、7回には右中間への8号ソロで自ら貴重な追加点を挙げた。投げては野村祐輔投手(31)が7回1失点の好投で2勝目だ。チームは今季初の3連勝、7カードぶりの勝ち越しを決めた。

 点が取れそうで取れない敵地のよどんだ空気を吹き飛ばした。1点優勢の7回1死から堂林が貴重な一発。2番手・星がカウント3―1から投じた内寄り直球を捉えると、打球は右中間席に着弾した。7月30日の中日戦以来となる8号ソロだ。

 「直球一本に絞って1、2の3で振った。手応え十分。チャンスメークの延長線が本塁打になり、祐輔さんを援護できてよかった」

 17年5月7日の阪神戦以来、3年ぶりの2番起用。「逆に気楽。後ろに還してくれる長野さん、誠也、松山さんが居るので、つなぐ意識だけ。決めにいく意識は消した」という柔軟な発想が、一発を含む13試合ぶりのマルチ2安打を生んだ。

 価値ある進塁打も放った。再三の好機を逃して迎えた同点の5回無死一塁。堂林は追い込まれながらもファウルで粘ってフルカウントに持ち込み、遊ゴロで一走・西川を二進させた。直後に長野が左中間突破の勝ち越し二塁打。「いいつなぎができた」と喜んだ。

 苦節11年。心技で進化した姿を披露する。7月8日のDeNA戦から約4年ぶりに本格復帰したサード守備。以前は守りに意識を傾注するあまり打撃に影響するケースが見られたが、28歳になった今はたくましい。

 「投手が打ち取ったと思う打球は確実にアウトにする。意識するのは最低限のこと。引きずらないように…という意識はあります」

 得点圏での1本という意味ではモノ足りないが、2番に堂林を起用する攻撃型オーダーはひとまず成功。今季初の3連勝を飾り、7月10~12日の中日戦以来、実に7カードぶりの勝ち越しを決めた。

 「まだ借金があるので一つ一つ」。佐々岡監督は前を向く。2番・堂林については「キク(菊池涼)の状態がよくないので攻撃的に変わればいいな…と。堂林もよくはなかったけど、本塁打は彼らしい。これで変わってくれれば」と期待した。

 打率リーグトップを譲っても・348はキラリと光る。攻守で切り替えている証。遅ればせながら投打の歯車が噛み合ってきた赤ヘル。2番・堂林の攻撃野球で巻き返しだ。 (江尾 卓也)

 ▽黒田博樹氏の提言要旨 スポニチ4日付紙面で、広島が低迷する現状に黒田博樹氏(45)が独占インタビューに応じ、「鈴木誠也をキャプテンに」「今できるのは攻撃的な野球を展開し、投手が打者だけに集中しやすい環境をつくること」など、と緊急提言した。

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