みたらし加奈氏 保育士による虐待問題「人手不足のストレスが攻撃性となり自分よりも弱い立場のところに」

[ 2022年12月11日 17:01 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 臨床心理士で、SNSでメンタルヘルスやLGBTQに関する情報を発信している、みたらし加奈氏が11日、TBS「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。静岡県裾野市の私立「さくら保育園」の保育士が園児を虐待したとして暴行容疑で逮捕された事件を受け、加藤勝信厚生労働相は6日の記者会見で、全国の保育施設や自治体を対象に、虐待に関する情報への対応状況を調査する考えを明らかにしたことに言及した。

 事件では、園側の口止めや市の対応の遅れが明らかになっている。調査は、虐待疑いの通報があった場合に、自治体などが適切に対応できているかどうかといった実態を把握する狙い。また、全国の保育園で、相次いで保育士による虐待の疑いが明るみに出ている。番組では、保育士の園児の学年別配置基準では、日本は1人の保育士が見なければいけない子供の人数が、先進国の中で1番多いと紹介。保育士1人が見る1歳児の人数は、日本は6人、英国では3人、ドイツのベルリンでは3・75人と伝え、保育、子育てに対する国の支出のGNP比も日本は低いとするデータを伝えた。

 みたらし氏は「構造的な問題だと思う」とし、「私自身、実習で小児病院のメンタルヘルスケアにかかわらせていただいたことがあったんですけど、その時、1人につき子供2人とか1人みるんですね。安全性を配慮して子供たちのことを考えてってなると、私は保育士の資格を持ってないんですが、2人でもあっぷあっぷの状態だったので、やっぱり(保育士1人当たりの1歳児の配置基準)6人というのは多すぎるなあと感じます」と自身の経験を踏まえて話した。そのうえで「人手不足であっぷあっぷしている状態で、そうなってくるとストレスがどこに向かうかっていうと、アグレッションといって攻撃性となって自分よりもさらに弱い立場のところに行きやすくはなるんですね」と言い、「保育園だと本当にクローズド、閉じられた空間なので、力関係が明確になりやすい。年配であったり、自分より年次が上の保育士さんに何も言えなかったりし、そうすると園長も、もしかして介入できなくなってしまうケースもあるので、やっぱり保育の現場にも最近、臨床心理士が配置されている所もあるんですが、保育士のメンタルヘルスケアとして臨床心理士必要かなと思っています」と自身の考えを述べた。

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2022年12月11日のニュース