「鎌倉殿の13人」最終回どうなる?チーフ演出「ちゃんと終わります」三谷幸喜氏、小栗旬らの言葉を再録

[ 2022年12月11日 12:00 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第47話。北条義時(小栗旬)(C)NHK
Photo By 提供写真

 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)も残り2回。今月18日に最終回(第48話)を迎える。期待が高まる最終回への発言をまとめた。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」へと向かう。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑んだ。

 三谷氏は10月9日、トーク特番「鎌倉殿の13人 応援感謝!ウラ話トークSP~そしてクライマックスへ~」にVTR出演した。

 「北条政子(小池栄子)のキャラクターが今まで、ここに至るまで、あれだけ悪女悪女と歴史上で言われていたんだけども、僕にはどうしても悪女に見えないんですよ。その都度その都度、彼女は必死だったし、母として妻として、そうでなければいけない選択をしていっただけであって、それが結果的に悪女の烙印を押されてしまったのかもしれないけども、全然、彼女の中には悪とか、そういう色が僕には見えなかったんですよね。じゃあ、いつ、北条政子はみんなの知っている、あの悪女になるのか、というところですよね。ならないです。(佐久間氏『ならないまま、でも、歴史上はあの悪女のように見えるというところにたどり着く?』)そうそうそう。それをやってみたかったんですよね」

 「唯一の希望というか、唯一の救いは、やっぱり泰時(坂口健太郎)なんですよね。彼が最後に、すべての登場人物の夢を叶えるみたいな感じの存在になっていくので。また、坂口さんが凄く汚れのない感じでね、泰時のピュアな部分であるとか、希望みたいなものを一身に背負っている感じがとてもよくて。彼がいるから、ほんのちょっとですけども、最終回に何か幸せな気分にみんながなれる。そんな存在ですね」

 「これは凄く悩んだんですど、義時の人生を描くにあたって、最後、彼はどこに到達するんだろうか。それは、物語として最後に何を描くかと同じことなんですけども、僕が思った以上に、義時は結果ダークになっていくんですよね。色々な人の死に関わっていった彼が最後、幸せに亡くなっていいんだろうか、という思いが凄くあって。やっぱり、彼なりの最後というものをきちんと描くべきじゃないかという感じがしての最終回ですね。だから、あんまりない、大河ドラマではない、主人公のラストシーンになる…なった気がしますね。僕なりにドキドキしましたね。あ、こういう終わり方なんだ。でも、この終わり方しかないんだなっていう」

 小栗はクランクアップ後、10月下旬にインタビューに応じた。

 「今まで経験してきた(クランク)アップとは、また違う感じでしたかね。まだまだ撮影を続けていたいという気持ちももちろんありましたし、それと同時に、やっと終わったんだなとホッとする気持ちもありましたし。一言では何とも言い難い心境でした。ただ、本当に納得のいく終わり方をさせていただいたので、もうスパッと切り替わったという感じ。あの日で全部終わり。だから、今から『もう1回、義時をやれ』と言われても『全くできません。何も覚えていません』という気分ですね(笑)」

 “ラスボス”三浦義村役の山本耕史は今月3日、「土曜スタジオパーク」(土曜後1・50)に生出演した。

 「衝撃のラストになっています。たくさん言いたいことはあるんですけども、言わないでおきますね。驚くことがありすぎて、最後の最後まで想像を超えていきますから。ここから見ても、心奪われる回ばかりなので。正直なところ、言えないです。打ち合わせの時のプロデューサーとの会話がすべてです。あれももちろんダメだよね、これもダメだよね。となると、全部ダメだね、と(笑)」

 チーフ演出の吉田照幸監督は今月3日深夜(4日未明)、NHK「ラジオ深夜便」に出演。登場コーナーの最後に、ラストへの見どころを聞かれた。

 「どうしても長いドラマって、何となく最後がふわっと終わってしまうというか。フェードアウトしていくような。もしくは未来に希望を託す、みたいなことで、ふわっと。でも、『鎌倉殿』はちゃんと終わります。ちゃんと48回の意味があります」

 制作統括の清水拓哉チーフ・プロデューサーは今月7日、NHKホールで行われたファンミーティング後に取材に応じた。

 「ラストシーンが非常に注目されていますが、そこに至るまでも、ある種の日本の歴史の転換点が凄く人間くさく描かれます。テーマとしては大きな話なんですけど、実際に(当時の人々の)目の前で起こっていたことは非常に人間くさいことだったのかもしれない、ということが見えてきます。(義時の“最期”については)その解釈をめぐっては、キャストもスタッフもみんな色々な考えを持ちました。それが義時にとってどういう意味を持つのか。ただ、みんな一様に驚いたのは驚いたと思います。義時がかわいそうで、愛おしくてならなかった。今思い出しても涙が出てきます。意外性はありますが、そこに関しては三谷さんは驚かせようと思って書いたんじゃない、と僕は想像しています。このドラマの北条義時のあるべきラストを丹念に考え抜かれた結果そうなった、ということだと思います」

続きを表示

この記事のフォト

2022年12月11日のニュース