浜田敬子氏 保育士による虐待問題に「構造的な問題も大きい…相次いで発覚しているのも氷山の一角」

[ 2022年12月11日 16:33 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 フリージャーナリストの浜田敬子氏が11日、TBS「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。静岡県裾野市の私立「さくら保育園」の保育士が園児を虐待したとして暴行容疑で逮捕された事件を受け、加藤勝信厚生労働相が6日の記者会見で、全国の保育施設や自治体を対象に虐待に関する情報への対応状況を調査する考えを明らかにしたことに言及した。

 事件では、園側の口止めや市の対応の遅れが明らかになっている。調査は、虐待疑いの通報があった場合に、自治体などが適切に対応できているかどうかといった実態を把握する狙い。また、全国の保育園で、相次いで保育士による虐待の疑いが明るみに出ている。番組では、保育士の園児の学年別配置基準では、日本は1人の保育士が見なければいけない子供の人数が、先進国の中で1番多いと紹介。保育士1人が見る1歳児の人数は、日本は6人、英国では3人、ドイツのベルリンでは3・75人と伝え、保育、子育てに対する国の支出のGNP比も日本は低いとするデータを伝えた。

 浜田氏は「もちろん当該園とか当該保育士の問題も大きい」とした上で「構造的な問題も大きいと思います。今回の虐待が相次いで発覚しているのも氷山の一角だと思っている。これと同じように今年の夏頃にバスの置き去り事故も何件か続きましたよね。あれも同じ構造だと思っていて、慢性的な人手不足というのが本当に保育業界は深刻」と指摘。「もちろん配置基準の問題、つまり予算が足りないことによる人手不足というのもありますし、賃金が安いということによって、大変な仕事のわりに賃金が安いので離職していってしまうということもあって、保育士の資格を持っている潜在保育士という人が数十万人いるにもかかわらず、保育の現場で働いてもらえないという実態もあります」とし、「例えばこの保育士さんは虐待の噂があるということは、今回の園でも言われていたにもかかわらず、辞めさせられないのも、辞めさせてしまうと人手がますます足りなくなって現場が回らなくなって他の保育士さんが悲鳴してしまうと。で、採用は難しいという悪循環が起こるのが分かっているので、悪い評判がある人でもなかなか辞めさせられないという問題もあると思います」と自身の見解を述べた。

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2022年12月11日のニュース