【ドラフト会議】中日ドラ6・田中幹也 ハチにも感謝!?難病乗り越え夢叶えた「仲間は一生の財産」

[ 2022年10月20日 21:57 ]

<ドラフト会議>中日から6位指名され質問に答える亜大・田中(撮影・藤山 由理)
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 プロ野球ドラフト候補たちの知られざるエピソードを紹介するTBS「速報ドラフト会議 THE運命の1日」(後7・00)が20日に放送され、中日にドラフト6位で指名された亜大の田中幹也内野手(21)を紹介。国指定の難病を乗り越えて「プロ野球選手になる」という夢を叶えた“奇跡の実話”が明かされた。

 田中は東海大菅生時代から世代屈指の遊撃手として活躍。亜大進学後も50メートル5秒9の快足を武器に、18日の国学院大戦でリーグ通算盗塁数「48」に到達。元広島・野村謙二郎(駒大)の持つリーグ最多記録「52」にあと4と迫っていた。

 しかし昨年8月、練習中にハチに刺されて病気に行くと検査を進められ、国指定の難病「潰瘍性大腸炎」だったことが判明。陸上の桐生祥秀も同じ病で苦しんでおり、原因不明で完治する治療法はなく、症状がひどくなると命にかかわることが起こる危険な病気だった。

 入院当初は薬での回復を目指していたが体調が悪化。昨年11月、医師から「大腸全摘出」という手術を提案されたが、この手術を受けて過去にプロ野球選手になった前例はなし。母親も「手術したら野球が出来なくなる心配があって…」と息子の夢を守りたい一心から反対していたという。

 それでも田中は「親にも野球できなくなってもいから、この病気を治したいって言った。まず命なんで、生きていければいいかなと」と手術を決断したことを明かした。

 手術の結果は無事成功。すると病院で療養中の田中のもとへ人生を変えたものが届く。それは野球部の仲間たちからのメッセージだった。たくさんのエールや写真などを見た田中の心に火がついた。「もう一度、仲間たちと野球がしたい」と一度は諦めようとしたプロ野球選手になる夢を再び追いかけると決断。去年12月に退院後すぐに寮へ戻り、復帰へ向け努力を重ねた。

 そして今年4月には実戦復帰。6月には亜大を20年ぶり日本一へと導きMVPも獲得。手術を担当した医師は「社会復帰も難しい人もいますので、復活具合に大変驚きました」とコメントした。

 元気に復帰した田中は「仲間は一生の財産だなと思います」とコメント。中日から6位で指名され、プロ野球選手になる夢を叶えると「後ろで仲間たちが自分のことのように喜んでくれて、それがうれしくて…本当に仲間に支えられた4年間だったと思います」と感謝しきり。

 「ハチに助けられたな」と難病の早期発見に繋がったハチにも感謝。父親にいたっては「スズメバチさんに本当に感謝していまして、ハチのオブジェを玄関脇に飾っています」と家族中で感謝している様子だった。

 ◇田中 幹也(たなか・みきや)2000年(平12)11月28日生まれ、神奈川県出身の21歳。小2で野球を始め、中学時代は相模原リトルシニアに所属。東海大菅生(東京)では2年夏に「1番・遊撃」で甲子園に出場し4強入り。亜大では1年春からリーグ戦に出場し、同年の大学日本代表に選出された。1メートル66、64キロ。右投げ右打ち。

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2022年10月20日のニュース