ドイツ、パナマでWBC予選支援のMLBルーク篠田さん 本大会は侍ジャパン世界一へ“フルサポート”

[ 2022年10月20日 11:50 ]

ドイツの「アーミンウルフ・アリーナ」でWBC予選A組の運営をサポートしたルーク篠田氏(提供写真)
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 ドイツが誇る大都市ミュンヘンから車で1時間。レーゲンズブルクの9月は野球に熱く燃えていた。

 来年3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の予選A組。今夏から大リーグ機構(MLB)で勤務し、同予選をサポートした日系4世のルーク篠田さん(26)は「野球が少しずつですが、確実に世界でも人気が上がってきているのは予選の熱量でも感じました」と充実感をにじませた。

 期間中は雨天の日が多く試合時間の調整に追われた。宿泊期間の調整や移動の手配。各チームはもちろん、審判団のサポートも篠田さんの仕事だった。戦いの舞台となったレーゲンズベルクの「アーミンウルフ・アリーナ」の収容人数は約3000人。それでも、篠田さんは「規模こそ小さいですが、盛り上がっていました。ドイツの野球ファンがたくさん来ていました」と手応えを感じた。

 野球不毛の地と揶揄(やゆ)されることも多い欧州だが、近年は英ロンドンでのレギュラーシーズン開催や、エンゼルス・大谷の二刀流の活躍などで徐々に関心は高まりつつある。篠田さんは同月末にはパナマで開催された予選B組も現地で運営サポートに奮闘した。

 篠田さんは東京都大田区出身で、幼稚園から高校まで都内のインターナショナルスクールで学んだ。ロサンゼルスの大学卒業後は、これまでドジャース傘下マイナー、ヤンキース、エンゼルスの広報として勤務。20年2月から今年の6月まではレッズ・秋山(現広島)の通訳兼広報を務めた。

 秋山の日本復帰後はニューヨークに本社を置くMLBに就職。来年3月開催の第5回WBCでは侍ジャパンの「代表チームコーディネーター」を務めることが決まった。侍ジャパンのメンバー承認の手続きを始め、来年3月の本大会のキャンプから宿舎や移動手段の手配など、運営全般を任される予定だという。

 11月5日から東京ドームと札幌ドームで行われる侍ジャパンの強化試合が「代表チームコーディネーター」としての本格的な“仕事始め”。篠田さんは「全てにおいて、やるからには常に上を、一番を目指したい。全力のサポートを注ぎ、世界一に貢献できればうれしい」と力を込めた。(柳原 直之)

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2022年10月20日のニュース