巨人・大勢 感謝を伝えたいのは「桑田さん」 心配かけた両親に「恩返しできたかな」

[ 2022年10月2日 19:53 ]

セ・リーグ   巨人―DeNA ( 2022年10月2日    横浜 )

<D・巨>原監督に迎えられる大勢(撮影・島崎忠彦)
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 巨人のドラフト1位守護神、大勢(本名:翁田大勢)投手(23)が今季最終戦となったDeNA戦(横浜)で57度目のリリーフ登板。失策も絡んで1点を失ったものの11日ぶりとなる37セーブ目をマークし、2015年山崎康晃(DeNA)、22年栗林良吏(広島)に続いて史上3人目となる新人最多セーブ記録を達成した。

 プロ1年目は57試合に登板して1勝3敗8ホールド37セーブ。57回を投げて38安打17失点(自責13)の防御率2・05。60三振を奪い、与えたのは13四球&3死球だった。

 試合後、大勢との一問一答は以下の通り。

 ――新人最多タイ37セーブおめでとうございます。

 「ありがとうございます」

 ――心境と喜びを。

 「ここまで3連投、前半戦3連投なしでいったり、登板間隔だったりというところの配慮といいますか、調整を桑田ピッチングコーチはじめ、監督さんが考えてやってくださったおかげでケガなくシーズンを乗り越えられたと思いますし、野手の皆さんに助けられながら37セーブ出来たかなと思っています」

 ――喜びは大きかった。

 「きょうはちょっと意識はしないようにはしていたんですが、ちょっと異様な雰囲気に飲まれたというか。意識しちゃったかなという部分はあったので、抑えたときはうれしかったです」

 ――1年目のシーズンを終えて、どんなシーズンだったか。

 「前半戦は自分の思うような、思い通りにいくことが多かったんですけど、やっぱり後半戦につれて相手チームのデータだったり対応の仕方だったり、対策も練ってきてうまくいかないことのほうが多かったんですけど。その中でも自分なりに修正して次の登板に臨んだり、そういう結果が積み重なっていったことは良かったかなと思います」

 ――一番しんどかった時期は。

 「もう後半戦はずっと、そうですね、8月、9月はしんどかったですね」

 ――それは体力的に?

 「そうです、体力的な部分が一番大きかったかなと思います」

 ――登板間隔も管理されていたが、ケガなどは大丈夫か。

 「はい、大丈夫です」

 ――この活躍は自分で予想していたか。

 「そうですね、あまりしていなかったというか、予想してはいなかったですけど。思っていたよりうまくいって良かったなと思います」

 ――手応えを感じたのはどの時期。

 「えー、手応えとかはやっぱり三振を狙いにいって三振を取れたときだったり、前半戦は真っすぐ、真っすぐで押していたんですけど、後半戦は変化球もしっかり三振を取れたり抑えられたことが手応えというかちょっとは成長したのかなと思います」

 ――感謝を伝えたい相手は。

 「桑田さん」

 ――どういう理由で?

 「あの、自分だけじゃなくて、ピッチャーの皆さんの体調だったり、メンタルだったりというのを本当に配慮していただいて、本当に僕たちのために犠牲になっていただいたというか、そういう場面も陰ながら見えていましたし。なんで、ピッチャー陣としてはしっかり日本一になるというのが桑田さんだったりへの恩返しとやってきたんですけど、結果として桑田さんに恩返しが出来なかったというのは自分的にも悔しいです」

 ――両親へ一言。

 「まあ、自分は生まれつき川崎病という病気で生まれてきて、両親もやっぱり心配したと思いますし。大学でもケガをしましたし、その時も通院に送ってくれたりしていたので、自分が野球をしている姿とか、こういう結果を出している姿で少しは恩返しできたかなと思います」

 ――37セーブに率直な感想は。

 「いやー、ま、37セーブという数字は残せたんですけど、防御率もそうですし、無駄な失点もありますし、そういったところで37セーブされている栗林さんや山崎康晃さんとの差が出てしまっているので、でも自分には来年、まあ新人最多というのではないですけど、栗林さんや、康晃さんはメジャーにいかれるかもしれないですけど、そういった他球団の抑えの人たちとまた競っていけるチャンスはあるので、今回新人としては栗林さんや山崎さんの数字には負けてしまっているので、来年以降しっかり、今のこの現状に満足せずに、オフシーズンしっかり過ごして、2年目のジンクスという言葉もあるので、そういうのに負けないようにやっていきたいと思います」

 ――改めて、成長を感じた部分。技術やメンタル面など。

 「やはり初めてセーブシチュエーションで失敗した時とかは悔しかったし、マウンドに上がる怖さはありました。そこで、自分を貫けたというか、向かっていけたことで、またその壁を乗り越えられたという感じはありました」

 ――桑田さんへの感謝の言葉があったが、そういう時に支えられた言葉などあったか。

 「そうですね。あの時に、前半戦ですけど、“今までチームの勝利に貢献しているんだから、そこは自信を持って、1回やられることもあるんだから、次またやり返せばいいよ”と声をかけてくれましたし、最後のCSかかった試合も、まあ37セーブ挙げましたけど、3敗しているので、そういうのがなかったら、チームもCSにいけていたかもしれないし、そういう責任感もあります」

 ――メンタル面で、点を取られても“最後に勝てばいい”と考えている。そう割り切れる理由は。

 「きょうは特になんですけど、1点入ってしまって、自分の連打から、悪い流れの中だったので、最初、37セーブの記録は変な意識してしまったんですけど、これじゃダメだと。そこで原点に戻るじゃないですけど、自分の投球スタイルを再認識して、もうバッターに向かっていくだけだなという気持ちで投げました」

 ――連打を浴びた後に、気持ちを切り替えた。

 「そうですね。きょう(先頭に)ボール、ボールで入った時に、ちょっといつもと違う、異様な感じがしたので、ちょっとこれは、投球間隔や間(ま)だったりを空けていかないといけないな、というのがあって、ちょっと試行錯誤はしました」

 ――普段から、メンタル面で心がけていること。

 「きょうとかもそうですけど、3点差や2点差だったら、1、2点取られても、勝ち切ればいいや、というのは、高梨さんや、小林誠司さんが教えてくださった。“お前の仕事は、勝って試合を終わらせることだから”というのを言われますし、でも個人としては、防御率とかそういうところにこだわっていかないと思うんですけど、そういう声をかけていただき、そういう環境でやらせてもらっているので、やりやすいというか、自然と、まだ追いつかれていないから大丈夫だ、という感じになります」

 ――きょうはエラーなどがあっても、そういう意識で乗り越えられた。

 「そうですね。普段守ってもらっているんで。助けてもらっていますし、きょうとかも、ダブルプレーで終わっていたかもしれないですけど、あそこはヒット、ヒットで流れを悪くしたのは自分ですし、37セーブの記録がかかった時に“そう簡単なもんじゃないな”“これは乗り越えていかないといけない壁なのかな”と自分に言い聞かせながら、冷静になって投げられました」

 ――1年戦い抜いてみて、これだけの結果を残せたことは、来季以降への土台になる自信のようなものは生まれたか。

 「そうですね。方向性とかは定まってきましたし、でもそれを100%表現できていないので、そういうところが来季への課題なのかなと思います」

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