阪神・矢野監督「選手たちが粘りに粘ってつくってくれたチャンス」逆転CS、開幕9連敗からは史上初

[ 2022年10月2日 05:15 ]

練習を前に投手陣に話をする矢野監督(撮影・大森 寛明) 
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 阪神は1日、巨人が敗れたことで3位でクライマックスシリーズ(CS)進出が決定した。2日のヤクルトとの今季最終戦は、退任する矢野燿大監督(53)にとってレギュラーシーズンでの甲子園ラスト采配。満員が予想される中で勝利で締めくくり、CSも突破して日本シリーズで再び本拠地に帰還する決意を示した。

 巨人が1日のDeNA戦に敗れ、最終戦を待たずしてCS進出が決まった。19年から指揮を執る矢野監督は、コロナ下で不開催だった20年を除く3連続出場。就任4年間、Aクラスを維持し続け、集大成となるポストシーズンへ決意を新たにした。

 「チャンスが巡ってきたという部分ではあるが、選手たちが粘りに粘ってつくってくれたチャンスです。諦めないというのは“俺たちの野球”で大切にしてきた部分。そういう気持ちを持ち続けてやってくれた結果が、この3位につながったと思う。素直に“3位で喜んでどうするんだ”という自分もいるけど、3位を素直に喜びたいな…という自分もいます」

 1日の全体練習。矢野監督はこれまで通り、二塁手の守備位置の後方から練習を見守り、時折、自らグラウンドをならした。現役時代からの汗と涙が染みこんだ甲子園の黒土。CS進出を懸ける大一番ではなくなっても、レギュラーシーズンではラスト采配となる一戦に思いを巡らせた。

 「(今季で)辞めるという選択をしてから、一日一日が自分の中でカウントダウンというか、そういう思いでやってきた。それが“1”になったということ。チケットも、後から販売したにもかかわらず、満員のみなさんに来てもらえる感じなんで。そんなありがたいことはない」

 当初日程では9月28日の敵地・ヤクルト戦が最終戦。同19日のヤクルト戦が台風接近で延期され、2日に甲子園でラストゲームを迎えることになった。追加日程にもかかわらず、前売り入場券は完売。試合後はあいさつも予定され、ファンに感謝とCSへの意気込みを伝える。

 もちろん、甲子園に本当の別れを告げるのはまだ早い。横浜、神宮でのCSを突破し、日本シリーズに進出すれば、再び本拠地で指揮を執ることになる。開幕9連敗のどん底も味わった激動のシーズン。最後は勝ち続けて終わってみせる。(山添 晴治)

 ○…阪神はシーズン3位が確定。19年から3シーズン連続(20年は中止)10度目のCS進出を決めた。阪神は1試合を残して68勝71敗3分け、勝率.489の借金3。勝率5割未満のプレーオフ、CS進出は昨季の巨人に続く延べ8チーム目。2日に負けて借金4なら18年巨人に並ぶ最多借金で進出となる。

 ○…今季は開幕9連敗スタート。シーズン中9連敗以上を喫してのCS進出は21年の巨人(10連敗→3位)に続く延べ12チーム目。阪神も07年に4~5月の9連敗を経て3位で進出しているが、開幕9連敗からは史上初。CS以前を含めても開幕9連敗以上の過去4チームでシーズン3位以内はなかった。

 ○…4月21日と23日には最大借金16を経験。借金16以上からのシーズン3位以内は、阪神では66年の最大借金19から3位以来56年ぶり2度目。矢野監督は19年の就任から(3)(2)(2)(3)の4年すべてAクラス。阪神の4年連続Aクラスは岡田監督2年目の05年から(1)(2)(3)(2)以来17年ぶり。初の監督就任から4年以上連続Aクラスは、2リーグ制以降で矢野監督が初めて。

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