さあ伝説の「10・2」最終戦 ソフトB・藤本監督「勝って優勝します」柳田は「全員で勝ちに行く」

[ 2022年10月2日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク1ー3西武 ( 2022年10月1日    ベルーナD )

9回、同点ソロを放ち、ガッツポーズする柳田(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクは1日、優勝マジック1で迎えた西武戦に1―3で延長11回サヨナラ負けを喫した。パ・リーグは2日に全日程が終了し、ソフトバンクはロッテに勝つか引き分けで2年ぶりの優勝。敗れた場合、2位のオリックスが楽天に勝てば逆転連覇が決まる。優勝の可能性がある2チームが同日にシーズン最終戦を迎えるのは史上4度目で、別カードでの決着は54年ぶり。14年にこの2チームが優勝を争った伝説の最終決戦「10・2」が運命を分ける。

 今季ベルーナドーム最終戦、試合後の場内あいさつ。帽子を取った柳田主将は一点だけを見つめていた。歯を食いしばっていた。

 「もう気持ちで打った一本です。切り替えて、明日全員で勝ちに行くだけです。とにかく、リーグ制覇できるように頑張ります」と試合後、柳田は球団広報を通じて決意コメントを追加して、足早にバスに乗り込んだ。

 0―1の9回1死で1ストライクから4番手・増田のフォークのをすくい上げた。長い滞空時間で飛ぶ打球。悲鳴と歓声が混じる中で9月23日ロッテ戦以来の7試合ぶりの23号ソロ。柳田はダイヤモンドを一周後、仲間とはしゃぎまくった。

 9月30日の楽天戦。右翼守備でフェンスに後頭部を強打し、4回途中で交代。仙台市内の病院を受診し、むち打ちのような症状との診断を受けた。この日、首には湿布が貼られ、出場すら危ぶまれたが試合前練習から参加。「4番・右翼」で先発に名を連ね、2回と4回に安打を放つ。8月19日の日本ハム戦以来の3度目の猛打賞。もはや意地だった。

 使用中の黒バットは「グリップの感じがいい」との理由で使い続ける松田から譲り受けたもの。この日、最後の試合となった先輩へ感謝や思いを強振で表現し続ける。同点で優勝だったが1―1の延長11回にサヨナラ負けしたが、主将の見せた一振りは確実に「10・2」へとつながる。

 8年前の14年10月2日、レギュラーシーズン最終戦でオリックスにサヨナラ勝ちし、優勝。マジックは1だ。勝てばいい。藤本監督も「柳田も(後頭部が)痛いと思うけど9回、いいとこで打ってくれたし。主将として頑張ってくれている。こういう試合もあります。勝って優勝できるのはうちだけです。明日勝って優勝します」と宣言。再び伝説をつくる。(井上 満夫)

 ≪V争い2チーム同日最終戦は4例目≫ソフトバンクが敗れ、オリックスに逆転優勝の可能性が残った。条件は2日の最終戦でオリックスが楽天に勝って、ソフトバンクがロッテに敗戦のみ。それ以外はソフトバンクの優勝になる。50年の2リーグ制以降、優勝の可能性を残した2チームが同日にシーズン最終戦を迎えるのは68年の阪急・南海、73年の巨人・阪神、94年の巨人・中日以来28年ぶり4例目(セの2例は直接対決)。なおパ・リーグでシーズン閉幕日まで優勝争いが続いたのは、73~82年の前後期制と04~06年のプレーオフ制を除けば、52年の南海Vと63年の西鉄V以来59年ぶり3例目。

続きを表示

2022年10月2日のニュース