大谷と立場が似ている20年のベッツ 調停避け1年契約の後、ドジャースへトレード 12年の長期契約合意

[ 2022年10月2日 08:47 ]

ドジャースのベッツ(AP)
Photo By AP

 大谷翔平(28)がムーキー・ベッツ外野手(29)が持っていた調停最終年の最高年俸記録2700万ドルを、3千万ドル(約43億5000万円)に更新した。

 当時、レッドソックス在籍のベッツはFA権を得る1年前で、2020年1月10日に調停交渉を避け球団と合意したが、当時の経緯を振り返ると、大谷の今後についての参考になる。レ軍は看板選手ベッツを引き留めたいと10年3億ドルの契約延長を提示していたのだが、ベッツ側は4億ドルを求めていると噂され、FA市場で自分の価値を試したいと返答。2700万ドルの単年契約で合意している。

 そこに割って入ったのがドジャースだった。大型トレードを持ち込み、1か月後の2月10日、ド軍は若手のアレックス・バードゥーゴ、ジーター・ダウンズ、コナー・ウォンの3人を差し出し、交換でベッツとベテラン左腕デビッド・プライスを獲得した。レ軍にとって助かったのはド軍が力の落ちた左腕プライスの残り3年分の給料9600万ドルの半分を払ってくれることだった。莫大な資金力を持つチームは欲しい選手と抱き合わせに、不良債権と化した契約も引き取れる。

 ド軍のアンドリュー・フリードマン編成本部長は、その1か月後、3月にはベッツ側に長期契約を持ち掛けた。4億ドル希望のベッツだが、あの年は新型コロナウイルスの世界的流行で社会が大混乱。MLBも開幕を7月に遅らせ、年俸の支払いについて選手組合と揉めていた。結果7月23日の開幕時に、12年3億6500万ドルの契約延長が発表されている。ベッツは会見で「このチームのすべてが好き。ここで優勝リングをいくつか手にして、ロサンゼルスを王者の地位に戻したい。それに焦点を絞っている」と語った。有言実行。その秋にレイズを倒し、ド軍は1988年以来の王座に就いている。

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2022年10月2日のニュース