県岐阜商・佐々木 大会1号!公式戦ラストスイングで“えぐい1本”高校通算41号出た

[ 2020年8月12日 05:30 ]

2020年甲子園高校野球交流試合   県岐阜商2―4明豊 ( 2020年8月11日    甲子園 )

<甲子園高校野球交流試合 県岐阜商・明豊>9回無死、県岐阜商・佐々木は左中間に今大会第1号となるソロ本塁打を放ちガッツポーズ(撮影・後藤 大輝)
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 2020年甲子園高校野球交流試合は11日、3試合が行われ、7月に校内で新型コロナウイルスのクラスターが発生した県岐阜商は明豊(大分)に2―4で敗れた。それでも佐々木泰(たい)主将(3年)が9回に、大会1号となる左中間ソロを放った。岐阜県の代替大会も辞退し、ぶっつけ本番となった甲子園の舞台。実戦不足の中でも、最後まで悔いなく戦い切った。

 最後のスイングになるかもしれない。後悔はしたくなかった。3点ビハインドの9回先頭。佐々木はカウント2―2から、高めの直球を振り切った。高校通算41号のアーチは聖地の左中間スタンドに刺さり今大会1号ともなった。帽子のひさしに手を当てる。そこには「えぐい1本」と書いてあった。

 「えぐいの打てました。(鍛治舎)監督のジェスチャーが“ホームランを狙っていいぞ”というサインだと思ったので、フルスイングした。一本打って勢いづけたかった」

 緊急事態宣言による休校が明け、7月24日に岐阜県の独自大会初戦を迎えようとしていた矢先に学校で新型コロナウイルスの集団感染が発生。出場辞退を余儀なくされた。2週間の活動休止。野球部員はPCR検査を受けて全員陰性だったが、鍛治舎監督は「対策をしても無力感があった」と率直な気持ちを明かした。

 佐々木は家の中で腹筋や腕立て伏せ、スイングやティー打撃をこなした。鍛治舎監督とはLINEで、日々の睡眠、食事量、トレーニングを細かく報告。アドバイスも受けた。全体練習を再開した7月30日以降で練習試合は8月上旬に3試合行ったのみ。チームは守りで5失策、打者は低めの変化球の見極めに苦しんだ。だが、できることは何かを考え続けた日々は無駄ではない。「独自大会は家のテレビで見ていてウズウズしていた。その気持ちをここで全部出せた。楽しかった」と佐々木は言った。

 白を基調に紺で「GIFUSHO」と書かれていた伝統のユニホームは、鮮やかな山吹色に変わった。それでも変わらぬ全力プレーがあった。鍛治舎監督も「選手は精いっぱいやったし頑張った。感謝しかありません。望外の喜び」と話した。

 聖地での戦いには敗れたが、同じく学校で感染者が発生し、独自大会を辞退した東邦(愛知)と27日に引退試合がある。「一本出たけど、満足はしていない。次のステージへ向けてもっと頑張らないと」と佐々木。続きはある。(松井 いつき)

 ◆佐々木 泰(ささき・たい)2002年(平14)12月24日生まれ、岐阜県出身の17歳。小1から野球を始め中学時代は岐阜ボーイズでプレー。県岐阜商では1年春からベンチ入りし、4番に座る。1メートル79、80キロ。右投げ右打ち。

≪コロナ感染拡大と県岐阜商のこれまで≫
 ▼7月15日 県岐阜商の教諭の新型コロナウイルス感染が判明。

 ▼16日 県独自で開催する代替大会の日程変更を発表。19日予定だった初戦が23日となった。

 ▼19日 男性教員4人、女子生徒3人の陽性が確認されたことを受け、代替大会への出場辞退を決めた。県教育委員会は同校が29日まで臨時休校すると発表。部活動も禁止となった。

 ▼22日 鍛治舎巧監督が岐阜市内で記者会見し「感染防止に協力する責任がある」と心境を語った。

 ▼29日 大阪市内で開かれた交流試合の実行委員会で、予定通り出場する方針が確認された。

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