日本ハム金子 6回無安打投球で4勝目、今季最多92球「次はもっと投げたい」

[ 2019年7月24日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム5―2オリックス ( 2019年7月23日    ほっともっと神戸 )

古巣相手に快投を見せた金子(撮影・井垣 忠夫)
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 圧巻の投球だ!日本ハムは23日、オリックス戦に5―2で快勝。先発した金子弌大投手(35)は昨季まで所属していた古巣を相手に6回無安打無失点、与四球2の快投を演じて4勝目をゲットした。これでチームは後半戦6勝1敗と好調を維持。3年ぶりの優勝を目指し、首位のソフトバンクを3ゲーム差で必死に追う。

 個人の記録に興味はない。チームが勝てば、それでいい。金子は自身のコンディションを慎重に見極めつつ、首脳陣とコミュニケーションも取りながらイニングを重ねた。結果は6回無安打無失点、与四球2。圧巻の内容で4勝目を手にした。

 「本来はもっと投げたかったけど、ちょっと諸事情があった。バテてしまったので次はもっと投げたいです」

 いきなり初回に2点の援護を受け、心に決めた。「全力で行こう」。いつも以上に右腕を振って3者凡退に抑え、流れを確実なものとした。直球が走り、得意のチェンジアップも好調。2、6回に四球を与えたが二塁も踏ませなかった。今季最長タイの6回で球数は最多を1球だけ更新する92球。中16日での後半戦初登板で暑さにも耐え、4月18日に移籍後初勝利を挙げた神戸で無安打無得点も予感させる快投を演じた。

 メジャーへの憧れを持ち続ける35歳。昨季はレイズが救援投手が序盤を任されるオープナー制度(※)を確立した。自身もテレビなどで観戦して「そういうのがあるんだ、と思った」と振り返る。オフにオリックスを自由契約となった際、同戦術を参考にした作戦を取り入れようとしていた日本ハムのオファーを受諾。栗山監督にはオープナーに興味があることを伝え「チームに貢献できるのなら、自分は0勝でもいい」と熱い思いも伝えた。

 シーズン前半は「栗山流オープナー」、さらに同役割を支える「第2先発」も務めるなどフル回転した金子は「まだチームは2位。最後に一番いい位置にいるように頑張りたい」と言葉に力を込める。これでチームは後半戦は6勝1敗。首位のソフトバンクを必死に追い掛ける栗山監督も「素晴らしかった」とベテランを絶賛した。

 昨年12月、札幌市内のホテルで行われた入団会見で金子は「まだ自分はプロに入ってから一度も優勝を経験できてない。優勝したいです」と語っていた。新天地で迎えたプロ15年目。未体験の喜びを目指し、身を削る。(山田 忠範)

(※)オープナーは昨季にレイズが導入し、広まった投手起用の新戦術。救援投手を先発させ、2番手で本来の先発を起用する。メジャーは2番に強打者を置く球団が多く、力のある救援投手で初回を抑えるのが狙い。「栗山流オープナー」はアレンジを加えたもので先発が打者1巡目程度を投げ、タイプの違う第2先発との組み合わせで6回程度を目指す新戦術。

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