【前回の鎌倉殿の13人】第20話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「義経&頼朝 語り尽くせぬ再会」

[ 2022年5月29日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第20話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「義経&頼朝 語り尽くせぬ再会」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は29日、第21話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第20話(5月22日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第20話は「帰ってきた義経」。京を離れ、奥州へ逃れた源義経(菅田将暉)。しかし、温かく迎え入れてくれた奥州の覇者・藤原秀衡(田中泯)が程なく天へ旅立つ。これを知った北条義時(小栗)は状況を探るため平泉行きを志願するが、義経の才を恐れる源頼朝(大泉洋)は藤原国衡(平山祐介)泰衡(山本浩司)兄弟の仲の悪さにつけ込み、義経を討つように冷たく命じる。八重(新垣結衣)に見送られ、平泉へと発つ義時。一方、捕らわれた静御前(石橋静河)は…という展開。
 
 頼朝の策を義時が実行。泰衡の軍が衣川館に迫る。義経も頼朝の策と分かっていたが「そこまで兄上にとって私は邪魔なのか。そう思うと、どうでもよくなった。この首で、平泉が守れるなら、本望だ(笑)」。そして、鎌倉攻めの策を義時に披露した。

 「(地図を広げ)まずは定石通り、北から攻める構えを見せる。見せるだけだ。鎌倉勢は当然、鎌倉の北に兵を出して迎え撃とうとする。そこで、南側の海だ。平泉は北上川から直に舟を出せる。まさか我らが舟で攻めてくるとは思っていないだろう。ガラ空きの鎌倉の浜に乗りつける。北にいた兵が慌てて戻ったら、それを追い掛け、そのまま鎌倉全体を包囲。すべての切り通しを塞ぎ、袋の鼠にしてから、町に火を放つ。どうだ?」

 義時が「船団が鎌倉の海に入る時、どうしても三浦の岬から丸見えになります。これはどうされますか」と尋ねると「三浦を味方につけておく。親父ではなく息子の方だ。あいつは損得の分かる奴だからな。(文を取り出し)ここに仔細を書いておいた。鎌倉に届けてほしい。梶原景時。あの者なら、きっとこの策の見事さを分かってくれるはずだ」――。最期まで“戦神”だった義経。弁慶(佳久創)らと泰衡軍を迎え撃った。

 「文治5年6月13日、義経の首が鎌倉に届けられた」(語り・長澤まさみ)。頼朝は「九郎…よう頑張ったなぁ。さあ、話してくれ。一ノ谷、屋島、壇ノ浦。どのようにして、平家を討ち果たしたのか。おまえの口から聞きたいのだ。さあ…九郎…。九郎…。話してくれ…。九郎…。九郎ー!すまぬ…。九郎…九郎ー!」。首桶を抱き締め、慟哭した。

 今回の“大河絵”は静御前&弁慶とともに、義経&頼朝兄弟の“再会”を表現。第14話(4月10日)、義経が木曽義仲(青木崇高)討伐へ向かう際の約束「戦から戻ったら、語り尽くそうぞ」(頼朝)「いかにして義仲を倒したか。いかにして平家を滅ぼしたか。夜を徹して兄上にお話しする日を夢見て、九郎は戦って参ります」(義経)を叶えてあげたかった。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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