「鎌倉殿の13人」義時“必ず”八重さん守る…ネット心配「天罰が下ったと…」「金剛が鶴丸を…」

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第21話。伊豆・願成就院本堂。運慶が彫った阿弥陀仏を見上げる北条義時（小栗旬）（C）NHK
Photo By 提供写真

　俳優の小栗旬（39）が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」（日曜後8・00）は29日、第21話が放送された。

　＜※以下、ネタバレ有＞

　稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組！」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

　第21話は「仏の眼差し」。源義経（菅田将暉）を失った奥州に攻め込み、藤原泰衡（山本浩司）を討ち取る源頼朝（大泉洋）。北条義時（小栗）畠山重忠（中川大志）らが在りし日の義経をしのぶ中、頼朝は毅然と上洛へ動き始める。一方、京の後白河法皇（西田敏行）は丹後局（鈴木京香）と今後の動静を憂慮し、来るべき日に備えていた。一方、鎌倉。八重（新垣結衣）は子どもたちの世話に奔走。八重の明るい表情に、政子（小池栄子）も目を細めるが…という展開。

　平泉を滅ぼした頼朝。泰衡の首を献上した家人・河田次郎（小林博）に対し「次郎とやら、恩を忘れて欲得のために主人を殺すとは何事か。名を呼びのも汚らわしい。この男の首を今すぐはねよ」と和田義盛（横田栄司）に命じた。「これから大事になるのは、忠義の心だ。あのような男を二度と出してはならん。（沈む義時に）小四郎、悔やむな。己のしたことが、正しかったのか、そうでなかったのか、自分で決めてどうする。決めるのは天だ。天が与えた罰なら、わしは甘んじて受ける。それまでは、突き進むのみ」――。

　頼朝と政子の息子・万寿（鳥越壮真）、義時と八重の息子・金剛（森優理斗）が対面。頼朝は「（金剛の）顔も、よく見れば、わしに似ておるぞ」と義時をからかう。

　八重「鎌倉殿がそのようなことを」

　義時「もちろん、からかっておられることは分かっている」

　八重「（金剛を）よく見てください。どこから見ても、あなたのお子。不安だから、お話になったんでしょう。鎌倉殿はそうやって、小四郎殿を弄んでおられるのです。腹が立ってきた」

　義時「言わなければよかった（立ち上がる）」

　八重「もっとご自分に自信を持ってください」

　義時「向こうは天下の鎌倉殿。源氏の棟梁。武士の頂におられるお方。どうあがいても太刀打ちできる相手ではない。抗っても結局は言いなり。言われるがままに、非道なことをしている己が情けない」

　八重「（立ち上がり、義時の前に）私はあなたを選び、金剛が生まれたのです。確かに昔は、あのお方のお側にいたいと思った。はっきり言います。どうかしていました。小四郎殿でよかったと、思っています。あなたがいなければ、源頼朝だって、今もただの流人ですよ」

　義時「それは言いすぎだ」

　八重「いいえ。あなたが今の鎌倉をお作りになられたのです。今のは言いすぎました」

　義時「（八重を抱き締める）」

　八重「私と金剛をお守りください」

　義時「必ず」

　八重「私も、あなたをお守りします」

　八重が預かる子どもは15人に。三浦義村（山本耕史）と一緒に子どもたちを川遊びに連れてきた。

　「冷えてきたな」と義村が用を足しにいった間、鶴丸が川に取り残され、岩にしがみついている。「千鶴」――。幼くして亡くなった息子・千鶴丸（太田恵晴）が重なったのか。八重は果敢に川へ入っていく。

　義時たちは仏師・運慶（相島一之）が彫った阿弥陀像を見に、伊豆・願成就院へ。仏像に見惚れる。運慶は「阿弥陀仏は生あるすべての者をお救いになる。不思議なもんでさぁ、どことなく顔立ちが、ある人に似ちまってさぁ。教えん」。時政は「一献いかがかな？」と運慶を気に入った。

　八重は鶴丸を抱え、川岸へ歩みを進める。戻ってきた義村も川に入り、八重から鶴丸を引き取る。八重の息遣いは荒い。義村は鶴丸を運び、川辺に横たえる。まだ川の中にいる八重は安堵し、力尽きたような表情。金剛の「母上？」に、義村が振り返ると、そこに八重の姿はない。「八重さん…。八重さん！八重さん！」――。

　義村は「申し訳ない」と政子に報告。大姫は「無駄よ。助かるわけないわ。きっともう亡くなっている」。義村は「かわいそうだが、助かる見込みは百に一つもないな。小四郎も、ほとほと運のない奴だ」と捜索に戻った。

　頼朝も加わり、必死の捜索。阿野全成（新納慎也）が祈祷も、燭台の火が消える。仁田忠常（ティモンディ・高岸宏行）が駆けつけ、政子は「見つかったのですか？様子は？」。忠常は「はい…（首を横に振る）」と無情の報告。膝から崩れ落ちた。

　義時「ふと、妻の顔を思い出してしまいました。息子の寝顔を見ている時の」

　運慶「俺の母にもよう似ておる」

　義時「お母上でしたか」

　八重は義時を見守り続ける仏になったのか。

　SNS上には「そうか、義時は八重さん失くして完全にダークサイドへ堕ちるのか…」「八重の死で義時は自分の行いへの天罰が下ったと考えちゃうやつ…？」「生ある者すべてに手を差し伸べた八重さんを阿弥陀仏はお救いになったのだと、そう思いたい。決して天罰などではないと思いたい」「義時が八重さんのこと知ったらどうなるのかという恐怖を、義時の帰りを待つ政子たちと、ここから1週間待たされる視聴者で共有させるというね」「金剛が鶴丸をずっと恨むんじゃないかと思うと、つらい」「大丈夫だと思うけど、金剛くん…鶴丸くん恨まないでね…鶴丸くん、自分を責めないでね」「来週の義時を思うと泣。本音で話せ、安らぎをくれた八重さん…心痛だ。最期の抱擁はドキッとするほど綺麗だった。ずっと義時を仏のような眼差しで見守ってくれるんだろうな。宗時を仏像で亡くし、仏像の完成を見たために八重さんの死を知れず。神は本当にいるのか」などと心配の声が続出した。