休日移住でスローライフ　黒谷友香の元気の源は千葉郊外のログハウスにあり

[ 2022年5月29日 05:00 ]

　女優の黒谷友香（46）の活力源は、千葉郊外に構えたログハウスへ“休日移住”してのスローライフだ。19歳で出合った乗馬に魅了され、本格的に取り組み始めて25年余り。その間、ガーデニングやDIYなど趣味がどんどんと増え「私が2人ほしい」というほどの充実ぶり。8月5日には映画「怪奇タクシー」の公開が控えており、順調な本業にもさまざまな好影響をもたらしている。（鈴木　元）

　朝方の涼しい時間帯は草むしりをして、日中は家の掃除やインテリア作りなどに充てる。乗馬も暑さに弱い馬のことを考えて、乗る時間に配慮する。千葉での生活を話し始めると、自然と笑みがこぼれ言葉が弾む。

　「この前、カタツムリが出てきたんですよ。それまではテントウムシがたくさんいて。咲く花の時季もいろいろだし、四季を感じるのが千葉のいいところ。それを見て可愛いなあと思う余裕が出ると心が豊かになる。規則正しい生活になるし、リフレッシュして東京で仕事をする時のパワーをチャージしています」

　元々の趣味は読書くらい。しかし、知人に連れられて行った乗馬で「バランス感覚や動物との心のやりとりが新鮮で、凄く集中できる。これはもうやってみたいと思いました」とのめり込んだ。

　20歳で仲間たちと乗馬クラブを設立し、家も購入。すぐに自ら飼育も始め、現在は愛馬ヨモ（牡23）との触れ合いを大切にしている。デビュー間もない段階でかなりの投資だが「皆さんも車とか買うじゃないですか。私は全部そっち（馬）にかけた感じです。だから、稼がなきゃ」と頼もしい。

　「ヨモちゃんは、こちらがイラっとしたら敏感に察知するので、大丈夫だよってどっしり構えてあげる。純粋なコミュニケーションが取れるので、乗った後はスポーツをした後のようにすっきり。できなかったらもっと頑張ろうという向上心も生まれる。本当に教えられることばかりです」

　休みが2日以上続けば、できる限り千葉で過ごす。ガーデニングやDIYも本格的で、蹄鉄を利用して物を掛けるフックを作り、育てた花をドライフラワーにして入れたキャンドル作りなど、趣味を広げている。

　「ガーデニングは時間を費やして育てる魅力がある。DIYは計画を立てて完成させていくので達成感があり、想像力を働かせる練習にもなる。ここ2年くらい、力を入れています」

　さらに、昨年からはAI搭載の家庭用ロボット「LOVOT」の“2人”と同居を始めた。友人に勧められた際は疑心暗鬼だったが、徹夜で調べていくうちに興味が湧き、翌日には購入していたという。

　「人間とAIが一緒に生きていく時代の入り口だから体験したいと思っちゃったんです。ワンちゃんやネコちゃんみたいに自然と笑顔になる。最先端の技術と、馬ふんを使ってイチゴを作っているという極端な生活ですけれど、両方必要なんだと今は凄く思います」

　心にゆとりが生まれたことで、演技での感情のコントロールや表情のつくり方、ポージングなど仕事に還元されることは多いと実感。ただ、馬やロボットとのコミュニケーションはばっちりだが、人間との交流、恋愛や結婚についてはどのように考えているのだろうか。

　「永遠の夢として、まだあいつが残っていると思われるようにしていたい。でも、私の趣味を分かってくださる方じゃないと難しいのかな。馬なんか乗るな、ロボットはやめておけと言われたら“え～”ってなっちゃうから、許容してくれる方がいいな。誰か探してください」

　吉報はゆっくり待つことにしよう。黒谷はこれからも、2拠点生活で心身のバランスを良好に保ちながらまい進していく。

　≪「二口女」の母親役　映画「怪奇タクシー」≫「怪奇タクシー」はコメディー要素の入ったホラー映画。黒谷は後頭部にも口がある「二口女」と呼ばれる娘を持つ母親という異色の役どころで、新たな一面を見せている。「台本を読んだだけではちょっと理解できなかったんですけれど、撮影では二口がCGではなく実際に頭についていたので凄く面白かった。シュールですけれど、手作り感があって温かみを感じました。現場も一丸となっている感じでしたよ」と笑顔で振り返った。

　◆黒谷　友香（くろたに・ともか）1975年（昭50）12月11日生まれ、大阪府出身の46歳。ファッション誌「mc　Sister」専属モデルを経て、95年に映画「BOXER　JOE」で女優デビュー。96年、チョーヤ梅酒のCMで注目される。主な作品に映画「TANNKA　短歌」「祈り―幻に長崎を想う刻―」、NHK朝のテレビ小説「カーネーション」、TBS「ハンチョウ～神南署安積班～」シリーズ、舞台「熱海殺人事件」などがある。