ドラフト目玉に西日本工大・隅田が急浮上!最大6球団が最速150キロ左腕にラブコール

[ 2021年10月11日 05:30 ]

争奪戦となりそうな西日本工大・隅田知一郎
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 プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)は11日、午後5時から都内のホテルで開かれる。目玉として急浮上してきたのが西日本工大の左腕・隅田知一郎(ちひろ)投手(22)だ。西武が事前に1位指名を公表。ヤクルト、阪神、巨人などが1位候補に挙げ、最大6球団による争奪戦となる。最速150キロの即戦力左腕が、1位指名の事前公表が2球団にとどまった今ドラフトの中心になる。

 本命不在――。そんな前評判だった今ドラフトで、直前になり1番人気となったのが、大学生No・1左腕とされる隅田だ。8日に西武が1位指名を公表。競合覚悟で1位指名に踏み切る球団が続くことになる。

 阪神・矢野監督は前日の会議を終え、具体名の公表は避けつつも、意中の一人として高評価していることを明かした。「(風間、小園、森木の)高校生の3人も素晴らしいし、大学生の左投手たちも素晴らしい。どこも左投手は欲しいところだと思う」。畑山俊二統括スカウトは「競合うんぬん関係なしに一番欲しい選手を指名したい。入札で」と競合覚悟の方針を強調した。

 最速150キロを誇る即戦力左腕。今年の全日本大学野球選手権では初戦で上武大に0―1で敗れたが、8回まで毎回の14三振を奪い、大舞台での快投でスカウト陣にアピールした。カットボール、チェンジアップなど変化球も多彩で、右打者を苦にしない点も高評価を集める一因だ。大学ラスト登板となった3日の日本文理大戦では、7回無失点、11奪三振で締めくくった。西武・渡辺久信GMが「このピッチャーしかいない。普通に投げられれば戦力になる」と評価するなど完成度は高い。

 当日に1位指名を決めるヤクルトも、その筆頭に隅田を挙げているとみられる。高津監督は「スワローズをグイグイ引っ張ってくれる選手は必要だと思う。そういう選手に巡り合えたらなと思います」と将来のエース候補を見極め、最終決断を下す。

 昨年は7球団が1位指名公表したが、今年は西武、ソフトバンクの2球団のみ。前日までに1位指名選手を決められず、当日の他球団の動向次第で方針転換する球団が出るのも予想される。それでも、その中心が隅田になるのは間違いない。どの球団も補強ポイントに挙げる「左の先発」。運命の一日は隅田争奪戦からスタートする。

 ◇隅田 知一郎(すみだ・ちひろ)1999年(平11)8月20日生まれ、長崎県出身の22歳。小2から「大村クラブ」で野球を始め、西大村中では軟式野球部に所属。波佐見では3年夏に甲子園に出場し、初戦敗退。西日本工大では1年春にリーグ戦デビュー。1メートル76、76キロ。左投げ左打ち。

 《近年の増加傾向と逆行 1位公表は2球団のみ》近年、1位指名を公表する球団が多かったが、今年は2球団にとどまった。公表が2球団以下だったのは13年の0球団以来8年ぶり。14年以降は14年が3、15年が5、16年が3、17~19年が6、昨年が7と年々増加傾向だったが、今年は異例の少なさになった。

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