阪神 今季最長4時間19分激闘も…首位ヤクルトに痛恨負け越し 奇跡Vへ、矢野監督「全員一丸」

[ 2021年10月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー6ヤクルト ( 2021年10月10日    神宮 )

<ヤ・神>神宮球場今季最終戦を勝利で飾れず肩を落とす佐藤輝(右から2人目)ら阪神ナイン(撮影・大森 寛明)
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 阪神は10日のヤクルト戦で今季最長4時間19分の末に敗れ、優勝マジック9への前進を許した。攻撃陣は再三の好機で決定打を欠き、9イニングでの17残塁は4年ぶり。4試合ぶりに先発した佐藤輝明内野手(22)も3打席凡退で4回の守備から交代し、起爆剤になれなかった。直接対決を1勝2敗で負け越し、残り11試合で3ゲーム差。逆転優勝はさらに厳しくなった。

 あまりにも痛い負け越しだ。3連勝しなければ、ヤクルトにマジック点灯を許す状況で臨んだ直接対決。初戦を落とし、第2戦は必死で連勝を止めたものの、第3戦は相手を上回る15安打を放ちながら、課題の詰めの甘さを露呈した。

 「3回までに点を取りたかったよな。あそこで点が取れないのはなかなか…。こっちは踏ん張れなかったけど、向こうは踏ん張ったというね」

 矢野監督も苦い表情を浮かべるしかなかった。終始、塁上をにぎわせながら、得点は4回の4点だけで、6回までに14残塁。決して良くなかったヤクルト投手陣を攻略しきれなかった。3回は2死満塁で小野寺が空振り三振。4回は4点を奪い、なお2死満塁で佐藤輝が左飛。6回2死満塁では島田が田口の前に空振り三振に倒れ、3者残塁のイニングが3度を数えた。

 土俵際からの大逆転には、やはり、佐藤輝の復活が必要だ。「7番・右翼」で4試合ぶりに先発して中飛、空振り三振、左飛の3打席凡退。打者一巡した4回は1人で2死を献上し、直後の守備から早々とベンチに下がった。

 前半戦の快進撃の原動力となったルーキーの一打は、チームのみならず、球場全体の雰囲気を変える力があるはず。残りわずか11試合ながら、奇跡の大爆発を期待せずにはいられない。

 2点差の9回も2本の内野安打で2死一、三塁とする執念が届かず無得点。9イニングでの17残塁は4年ぶりの拙攻だった。3ゲーム差に開き、ヤクルトはマジック9。「ファンの人も最後まで応援してくれている。相手の負けるのを待っていても優勝に近づくことはないと思うので、自分たちが諦めず全員一丸。それを勝ちにつなげていく」。矢野監督が強調したように、崖っぷちが迫っていても、希望の光を追い続けるしかない。(山添 晴治)

 《17残塁敗戦は15年ぶり》阪神の17残塁は17年9月10日DeNA戦以来4年ぶりで、前回は9回サヨナラ勝ち。延長戦を除き、17残塁で敗戦は06年6月7日の日本ハム戦(●2―3)以来15年ぶり。

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