阪神・大山は勝利を運ぶ4番だ 打点を挙げた試合は昨年から16戦無敗 チームは両リーグ10勝一番乗り

[ 2021年4月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー0DeNA ( 2021年4月10日    横浜 )

<D・神>4回1死三塁、先制適時打を放った阪神・大山はベンチに向かってガッツポーズ(撮影・大森 寛明)
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 主将の決勝打で、首位快走!阪神・大山悠輔内野手(26)が10日のDeNA戦の4回に決勝の中前適時打を放ち、打線をけん引した。大山が打点を挙げればチームは昨年10月16日のヤクルト戦から15連勝で16戦無敗。「不敗神話」を積み重ね、星野阪神時代の02年以来19年ぶりに両リーグ通じて10勝一番乗りを果たした。

 心の奥底では、もしかしたら本塁打を欲する思いもあるかもしれない。だが胸に「C」マークを宿す男が余念を捨てて最優先するのは、走者を還すことに他ならない。大山が主将の責任感、4番の威厳を、結果で示した。

 「取れる時に打点を…というのが今年のチームのテーマでもあるので、しっかりと点数を取れたのはいいことですし、仕事ができたのでよかった」

 主砲に整えられた舞台は0―0の4回1死三塁だ。上茶谷が投じた2球目の甘いスライダーを捉え、中前適時打。まだ1点リードの僅差ながら、この時点で勝利を確信した気の早い虎党もいたかもしれない。そして事実、この一打が決勝打となった。これで、大山が打点を挙げた試合は昨年10月16日のヤクルト戦から15連勝で16戦無敗。これまで、あまた語られてきた「不敗神話」の中でも、この一編は格別だ。

 「この球場が得意とかは個人的にはありますけど、その時できることを精いっぱいやりたいと思っている」。横浜スタジアムでは通算41試合で打率・356、9本塁打、35打点。18年9月16日には1試合で3本塁打を含む6安打7打点もたたき出した。地の利も主将の背中を押した。

 グラウンドを離れても、向上心が頭から離れることはない。19年オフからは近本の個人トレーナーを務める仲林久善氏の元へ定期的に足を運び、フィジカル強化とコンディショニングのサポートを受ける。今年1月の近本、ドラフト5位・村上との淡路島合同自主トレにも同行してもらい、筋伝達を意識した練習など、頭と体を連動させるトレーニング・メニューで対応力を養った。その成果は、今季の数字にも反映されている。

 ここまでキャリアで最も遅い開幕59打席ノーアーチだが、8打点はサンズに次いでチーム2位。「チームが勝つことが第一。その時の仕事がありますしチームが勝てる方向に持って行く仕事もあるので」。個人成績は二の次。主将としてチームのために徹する。

 チームは星野阪神時代の02年以来19年ぶりに両リーグ通じて10勝一番乗りを果たした。「何でも一番乗りはうれしい。どんどんいけるようにします」と矢野監督。猛虎が目指すのは16年ぶりのリーグ優勝、そして36年ぶりの日本一。その先頭に大山が立ち、力強くバットを振るう。(長谷川 凡記)

 《単独到達は3度目》阪神は12球団トップでシーズン10勝到達。チームの両リーグ10勝一番乗りは14年以来7年ぶり4度目。前回はソフトバンク、オリックスと3チームの同日到達で、単独は58年、02年に続く19年ぶり3度目。過去7度のセ・リーグ一番乗りで、リーグ優勝した62年は勝率2位での到達。“首位で10勝一番乗り”して優勝は未経験だ。

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