広島・菊池涼のバットから連日のG倒 決勝打含む3安打 開幕から14試合連続安打の頼れる切り込み隊長

[ 2021年4月11日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4ー2巨人 ( 2021年4月10日    マツダ )

<広・巨>初回無死一塁、安部の安打で三塁へヘッドスライディングする広島・菊池涼  (撮影・森沢裕)
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 広島・菊池涼介内野手(31)がまた大暴れだ。4―2で逆転勝ちした10日の巨人戦(マツダ)。初回の左前打で開幕からの連続試合安打を14に伸ばすと、同点の4回2死二塁では勝ち越し打を右前へ運び、早くも今季4個目の勝利打点を挙げた。投げては九里が7回2失点で3勝目、栗林は5セーブ目を挙げ、ともにリーグ単独トップに躍り出た。

 勢いでは片付けられない。安打量産の裏には確かな技術、さらには充実した心身。菊池涼がまたバットで勝利に貢献した。開幕からの連続試合安打を14に伸ばし、今季早くも4度目の3安打猛打賞。3得点に絡み、柔和な表情を浮かべた。

 「それまで右打者が(戸郷を)打っていなかったので打てる気はしていなかった。(1打席目に)たまたま抜けてくれて、気が楽になったというだけ」

 1点を追う初回と3回、先頭打者で左前、中前へ運んで好機を演出し、同点のホームを2度踏んだ。今季まだ右打者に安打を許していなかった戸郷に見舞った先制パンチ。勝負強さを発揮したのは、振り逃げの羽月を2死二塁に置いた4回だ。

 「追加点になって良かった」と振り返った通り、内角直球を巧みなバットさばきで右前へ。勝ち越し点を奪うと、今季初の二盗を決め、安部の右前打で4点目の生還だ。巨人にダメージを与えるよどみない攻撃。主役は紛れもなく31歳だった。

 言わずと知れた守備名人。その実、打撃でも実績を残している。14年には94年のオリックス・イチロー以来、史上3人目となるシーズン2度の20試合以上連続安打を達成。最多安打の冠に輝く16年は、25年ぶりのリーグ制覇に貢献した。

 「(好調の)要因は分からない。今の状態が(体に)染みこむように毎日毎日、変えずにやっているだけ」

 浮き沈みの怖さを知るがゆえに決して浮かれない。打撃についても多くを語らないが、180本超のヒットを打った14、16年を振り返ると、逆方向への意識がより強かった。好調な今季の指針と言えるかもしれない。

 「打てる時があれば打てない時もある。誰がいい、誰が悪いはない。今日は野手が(ミスして)足を引っ張ったけど、取り返した。3連覇した時もそうしてやってきた。まだまだできると思う」

 豪放磊落(らいらく)に見えて神経は細やかで、自分中心に騒がれるのを好まない。貫くフォア・ザ・チームの精神。規定打席到達者では両リーグで唯一の打率4割超を誇る31歳が、今日も勝利に向かってナインをけん引する。(江尾 卓也)

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