市和歌山が延長で呉にサヨナラ勝ち 開会式直後の試合を制し2回戦進出 左腕・岩本が好投

[ 2019年3月23日 13:10 ]

第91回選抜高校野球大会 第1日1回戦   市和歌山3―2呉 ( 2019年3月23日    甲子園 )

<市和歌山・呉>11回1死二塁、チームメートに迎えられるサヨナラ打を放った市和歌山・片上(左から5人目)=撮影・平嶋 理子 
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 第91回選抜高校野球大会は23日、甲子園球場で開幕。市立校同士の対戦となった開会式直後の第1試合では、3年ぶり6回目の出場となった市和歌山(和歌山)が、2年ぶり2回目の出場だった呉(広島)を延長11回の末にサヨナラ勝ちで下し、今大会最初の勝者となった。

 試合は接戦。市和歌山は2―2で迎えた延長11回、1死から6番・山田(3年)が右前打。敵失も絡んで二塁まで進んだ。7番・瀧谷(2年)は左飛に終わったものの、続く8番・片上(3年)が呉の右腕・沼田仁(3年)の投じた150球目をセンターにはじき返し、山田が生還して劇的なサヨナラ勝ちとなった。

 市和歌山は初回に先頭打者・山野(3年)の右中間二塁打を足場にして併殺の間に先制。5回には1死から四球と2番・下井田(3年)のこの試合3本目のヒット(中前打)で好機を築き、3番・緒方(3年)の左前打で2点目を入れた。

 先発左腕の岩本(2年)は「緊張して疲れました」と言いながらも、127~131キロの速球と大きく曲がるカーブを駆使して好投。3回には2つの四球を与えて2死二、三塁のピンチを迎えたが3番・沼田仁をスライダーで三振に仕留めた。2点を許したものの128球を投げて被安打2、4四死球、9奪三振でセンバツでは14年ぶりの勝利に貢献。

 殊勲のサヨナラ打を放った片上は「岩本が好投していたのでなんとかしたかった。まっすぐを完ぺきに打ち返せました。うれしいのひとことです」と笑顔。38歳の半田監督も「開幕ゲームなのでどうなるかと思っていましたが、岩本は持ち味を出してくれた。100点満点です」とエースの奮闘を高く評価していた。

 呉は先発した右腕の沼田仁が好投したものの、7回2死まで無安打。しかし2死2塁から、7番・池田(3年)が右前にはじき返し、チーム初安打がタイムリーとなって1点を返した。9回には4番・沼田歩(3年)が1死から右中間三塁打。7回に代走で出場していた5番の真田(3年)がスクイズを決めて同点に追いついた。

 5回の守備では中堅・沼田歩による本塁への好返球で市和歌山の追加点を阻止。最後まで粘ったものの、接戦を制することはできなかった。中村監督は「沼田はよく投げてくれましたが、粘るのが精いっぱいでした」と敗戦の弁。2年前は9回に追いついて延長戦の末、至学館(愛知)に6―5で勝っていたが、2度目の甲子園では涙を飲んだ。

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