大谷 スター後継、決意新た「これからも変わらない目標」

[ 2019年3月23日 02:30 ]

18年5月4日のマリナーズ―エンゼルス戦の前の練習中で握手する大谷(右)とイチロー
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が21日(日本時間22日)、現役引退を表明したイチローへ、感謝の言葉を口にした。昨季は開幕前に打撃不振に苦しみ、イチロー宅を訪れ助言を受けた。そのイチローから期待されるのは将来のサイ・ヤング賞と本塁打王。日米で愛されたスーパースターの後継者として決意を新たにした。

 素直な気持ちだった。午前10時。全体練習前の大谷がイチローの現役引退について口を開いた。

 「朝、起きて(ニュースで)見たので信じられない感じ。まだ信じられていない。本当に引退するのかなというのが今の感じ」

 大谷はメジャー移籍前からイチローと親交が深い林孝哉氏(現日本ハムスカウト)を介して、何度も食事へ出掛けている。メジャー1年目の昨季は開幕前に不振に苦しみ、バット1本を持ってイチロー宅を訪れ助言を受けた。「普通はアドバイスはなかなかもらえない。ありがたいし、見るだけでも勉強になる。実際に教えていただいて、凄く勉強になった」。自分の才能を信じることの大切さも学んだ。直接対決こそ実現しなかったが、そのイチロー以来、日本選手では17年ぶりとなる昨季の新人王受賞は不思議な導きでもあった。

 現役引退会見でイチローは大谷について、別々の年にサイ・ヤング賞と本塁打王を獲得する可能性のある選手だと改めて言及。さらには「米国の人にもサイズで劣らない。あのサイズで機敏な動きができる選手はいない」と評し「世界一にならないといけない選手」と大きな期待をかけた。背番号51から次代を担う後継者として指名された。

 この日の大谷は、投手調整は行わず打撃練習に専念。5月中の復帰へ向け、気持ちはさらに高まった。「(イチローは)目標になるような存在。それはこれからも変わらない。プレーする姿は見られないけど、昔から見てきたそういう選手像を目標にやりたい」。受け継がれた系譜。イチローを追い掛け、いつかは乗り越える。

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