【歴代番記者が語るイチロー】20歳の選手から課された“宿題”…「振り子打法の名付け親」に

[ 2019年3月23日 08:30 ]

イチロー引退

オリックス時代のイチローの振り子打法
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 【田中 貴久】1994年シーズン開幕前のオープン戦だったのか、開幕後しばらくしてからなのかは覚えていない。試合を見ていてイチローの打席に違和感を覚えた。「打ち方変えたの?」とストレートに聞くと「どこが変わったのか考えてください」と、イチローから宿題を課された。2、3日後だったか「右足の使い方がこれまでと違うよね」と答えると「本当は去年もこの打ち方をしていた時があったんですよ」と返してきた。

 安打を量産し紙面で大きなスペースを求められるようになった時、右足を時計の振り子のように使う打撃フォームのことを記事にした。見たままの表現だったが、のちに「振り子打法の名付け親」と言われるようになった。この件に関して、イチロー本人と直接話したことはなく、どう思っていたのかは知らない。

 驚いたのは、当時20歳の少年っぽい顔立ちの選手が、質問にストレートに答えず、年齢がひと回り違う記者を試したこと。25年が過ぎたが、引退会見で記者をいじるシーンを見て、クスッときた。(93~94年オリックス担当)

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