【次のスターはオリまっせ】宜保翔内野手“出たら打つ”マッハのスピードで成長途上

[ 2019年3月23日 11:27 ]

ここまで12試合中11試合で安打と結果を残し続けている宜保翔内野手
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 オリックスの次世代スターを発掘する当コラム。第12回目は宜保翔内野手を取り上げる。

 3月20日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で、ドラフト5位の新人・宜保にうれしい1本が飛び出した。1点差を追う7回、1死三塁で、マウンドには古谷がいた。左打者の宜保だが、左投手も苦にせず、149キロ直球を見事に三遊間を破る同点適時打。プロ初のタイムリーヒットとなった。「つなぐことを意識しました。もう少し、早いカウントからとらえられればよかったです」。フルカウントまで粘ったというより、打ち損じを反省するような言い方だった。古谷とは教育リーグでも対戦があり、「イメージできていた」という。頼もしいコメントだった。

 さらにこの試合、9回2死走者なしから、宜保が二保から右前打を放ち、その後山足のサヨナラ打へつなげた。高卒1年目の選手にしては、かなりやるなと感じていたら『宜保は出たら打つ』という情報をキャッチ。調べてみると18歳とは思えない記録が出てきた。

 宮崎キャンプ中だった2月23日のセガサミー戦からはじまり、25日のJR東日本戦、26日のJR九州戦でも安打を記録。教育リーグは出場した4試合で安打を放ち、ウエスタン・リーグでもこの試合まで4試合連続安打。打てなかったのは、3月12日の練習試合・慶応大戦だけだった。12試合中、11試合で安打を記録。本人に聞くと「1打席目の反省が、3、4打席目でうまく修正できることが多い」という。加えて「練習では色んなことを意識してやりますが、試合ではゼロにして、打席で自然と反応するように心がけています」と。何より、実戦で結果を出すところは、いかにもプロらしい。

 ここまではプロの力を実感することが多かった。セールスポイントの1つでもあった守備でも「キャンプ中のノックで、打球の正面に入れなかった」と、一つ一つの練習からアマチュアとの差を肌で感じていた。だが、逆に18歳の長所でもある「成長のスピード」は目を見張るものがある。プロのリズムにも慣れ、吸収できるものを、スポンジのように吸い込む毎日のようだ。

 宜保にとって、大きな出来事はドラフト1位の太田が教育リーグで右手を骨折したことだろう。太田離脱により、ウエスタン・リーグも出場機会が増え、その分、結果を出した。こんなところにもプロの縮図があり、宜保がプロらしいと思える一幕でもある。

 忘れられないのが、3月15日のウエスタン・リーグ開幕戦となった中日戦。宜保は、打撃練習で2人ぐらい前の打者を抜かすほど、早い時間にグラウンドに出てきた。福良育成統括GMから「宜保ちゃん、まだ早いんちゃうか」と笑われたが、ぎこちない笑みを返すのがやっと。沖縄の子らしからぬ時間前行動に、ソワソワする気持ちが見て取れた。昨年の入団会見では「見てくれている人を楽しませる野球をしたい。プレーを見て感動させたり、プレーで雰囲気を変えられる選手になるのが目標です」と語っていた。今はまだ成長過程だが、私も型にはまらない選手になってほしい、と思った。

 ちなみに、ウエスタン・リーグ初安打となった記念球は手元に届いたが、沖縄の両親に送ったのか、と聞くと「どうしようか、迷っているんです」と決めていないらしい。もしかしたら“2軍ではなく、1軍の記念球を届けたい”。そんな強い思いがあるのかもしれない。そして、その日は、そう遠くない未来かもしれない。(当コラムはスポニチホームページで不定期連載中)

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