【イチ問一答(2)】喜んでもらえることが一番の喜びに

[ 2019年3月23日 05:30 ]

21日のアスレチックス戦でファンの声援に応えるイチロー
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 【深夜の83分、イチロー引退会見】

 ――応援し続けてくれたファンの存在は?

 「日本の方は表現することが苦手、そんな印象があったけど、完全に覆りましたね。ある時までは、自分のためにプレーすることがチームのためになるし、見てくれる人も喜んでくれると思っていた。ニューヨークに行った後くらいですかね。人に喜んでもらえることが、一番の喜びに変わってきたんです。ファンの存在なくして自分のエネルギーは全く生まれないと言ってもいい」

 ――笑顔が多く見えた。この開幕シリーズが楽しかったか?

 「純粋に楽しい、ということではない。誰かの思いを背負うことは重いこと。そうして一打席一打席立つことは簡単ではない。だから、凄く疲れました。やはり1本ヒットを打ちたかった。僕に感情がないって思っている人はいるみたいですけど、意外とあるんですよ。結果を残して最後を迎えたら一番いいと思っていた。それでもあんなふうに球場に残ってくれて。死んでもいいという気持ちは、こういうことなんだろうなと。そういう表現をする時って、こういう時だろうなと思います」

 ――米国のファンへのメッセージは?

 「アメリカのファンの方々は最初は厳しかった。01年のキャンプは“日本に帰れ”とよく言われた。だけど、結果を残した後の敬意。なかなか入れてもらえないけど、入れてもらった後、認めてもらった後は凄く近くなるという印象。がっちり関係が出来上がる。シアトルのファンとはそれができたような。ニューヨークは厳しいところでしたね。でもやれば、どのエリアの人よりも熱い。マイアミはラテンの文化が強い印象で。それぞれに特色があって面白かった」

 ――今回の日本開幕戦を大きなギフトと表現していた。今後、我々にどんなギフトを見せてくれるのか?

 「そんなのないですよ。むちゃ言わないでくださいよ。僕からのギフトなんかないです」

 ――膨大な時間を野球に費やしてきた。これからは?

 「多分、明日もトレーニングはしていますよ。僕じっとしていられないから。それは動き回ってるでしょうね。ゆっくりしたいとか全然ないんですよ」

 ――現役を終え、今後は何になるのか?

 「何になるんだろうね。そもそもカタカナのイチローってどうなんですかね?元カタカナの一朗、みたいになるんですかね。あれ、元イチローって変だね。音はイチローだから、書く時にどうなるんだろう。何になるか…。監督は絶対に無理です。これは絶対が付きます。人望がない、本当に。ないですよ」

 ――そうでもないと思うが?

 「いやぁ、それぐらいの判断能力は備えていますよ。ただどうでしょうね、アマチュアとプロの壁が日本の場合は特殊な形で存在する。極端に言えば、自分に子供がいたとして、高校生だと教えられなかったり、ですよね。変な感じじゃないですか。今日をもって元イチローになるので、小さな子供なのか、中学生、高校生、大学生なのか分からないですが、そこには興味がありますね」

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