【イチ問一答(3)】17歳の愛犬一弓見て「頑張らなきゃ」

[ 2019年3月23日 05:30 ]

拍手の中、深々と頭を下げて退場するイチロー(撮影・篠原岳夫)
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 【深夜の83分、イチロー引退会見】

 ――支えてくれた弓子夫人への思いは?

 「頑張ってくれましたね。一番頑張ってくれた。僕は休まないですが、妻には休んでほしい。僕はアメリカで3089本のヒットを打った。僕はホームゲームは妻が握ってくれたおにぎりを球場に持っていって食べる。その数が2800個くらいだったんですよ。そこは3000個握らせてあげたかった」

 ――愛犬の存在。

 「一弓(いっきゅう)ですね。我が家の愛犬、柴犬なんですけど。現在17歳と7カ月。さすがにおじいちゃんで毎日ふらふらしているんですが、懸命に生きているその姿を見ていたら、俺頑張らなきゃって、ジョークではなく本当に思いました。01年に生まれ、02年にシアトルの我が家に来た。まさか最後まで、僕が現役を終える時まで一緒に過ごせるとは思っていなかった。これは感慨深いですね。妻と一弓には感謝の思いしかない」

 ――印象に残っているシーンは?

 「いろいろな記録に立ち向かってきたが、そういうものは大したことではないというか。今日の瞬間を体験すると凄く小さく見えてしまう。去年の5月以降、ゲームに出られない状況になり、練習を続けてきた。それを最後まで成し遂げなければ、今日のこの日はなかった。残した記録はいずれ誰かが抜くと思うが、去年5月からシーズン最後の日まで、あの日々は誰にもできないことかもしれない。ささやかな誇りを生んだ日々。どの記録よりも、ほんの少しだけ誇りを持てたことかなと思います」

 ――現役生活での野球の楽しみ方は?

 「94年、仰木監督と出会いレギュラーで初めて使っていただいた。この年まででしたね、楽しかったのは。後は急に番付を上げられて、一気に。それはしんどかったです」

 ――今までで一番考えて決断したものは?

 「順番は付けられないですね。ただアメリカでプレーするため、誰かを説得しないといけなかった。浮かんだのが仰木監督。おいしいご飯でお酒を飲ませたら、うまくいくんじゃないかと思ったら、まんまとうまくいって。これがなかったら、何も始まらなかった」

 ――野球の魅力は?

 「団体競技なんですけど、個人競技だというところですかね。チームが勝てばそれでいいかというと、全然そんなことない。個人としても結果を残さないと生きていくことはできない。その厳しさが面白いところかなと。あと、同じ瞬間がないこと。これは飽きがこないですよね」

 ――今後の野球について、どう楽しんでいけばいいか?

 「01年に米国に来て、19年現在の野球は全く別の違う野球になった。頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつあるような。危機感を持っている人は結構いると思う。日本の野球がアメリカ野球に追従する必要はなく、日本の野球は頭を使う面白い野球であってほしいなと思います」

 ――日本の野球で鍛えられたことは?

 「基礎の動きは、メジャーの選手より、日本だったら中学生レベルの方がうまい可能性だってあります。チームとしての連係もある。でもこちら(米国)ではなかなかそこは。個人のポテンシャル、運動能力は高いですけど。そこはかなり苦しんで、諦めましたよ」

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