呉・池田 兄に近づけた7回適時打「1本打てたので、おあいこですね」

[ 2019年3月23日 16:53 ]

第91回選抜高校野球大会 第1日1回戦   呉2―3市和歌山 ( 2019年3月23日    甲子園 )

<市和歌山・呉>7回2死二塁、池田は右前適時打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 少しだけ、兄に近づけた。無安打で迎えた7回2死二塁。反撃の右前適時打を池田駿内野手(3年)が放った瞬間、沈滞ムードに包まれていた呉ベンチに活気が戻った。

 2年前、呉が延長12回の接戦を制し1回戦を突破した姿をアルプススタンドから見ていた。兄・吏輝さんは眼前で9回に適時打。「いつか自分も」と思いながら野球を続けてきた。巡ってきたビッグチャンス。「スタンドから見るのと、実際にプレーするのはプレッシャーが全然違いました」と戸惑いを見せながらも、外角高めの直球を逆らわずはじき返した。チーム初安打が初得点に。「仁(沼田)が頑張っていたので。チーム全員がベンチから乗り出していたので、よかったなと思いました」と窮地を救った。

 着用しているグラウンドコートは、2年前に甲子園に出場した際に作った兄のお下がり。今回の出場にあたり新調してもよかったが、「甲子園に行ったという実績がある」と弟が思いを引き継いだ。呉にとってげんがよかった延長戦。2年前のように勝つことはかなわなかったが、「ヒットは1本打てたので、おあいこですね」と照れくさそうに笑った。

 小学生のころから高校に入るまで、兄とは家の庭で毎日のように紙で作ったボールで遊んできた。勝負事に負けたくない気持ちは、そんな日常の中で育まれた。これで終わりではない。まだ兄が出られなかった夏の出場、勝利という目標を達成できる可能性が残っている。「『最後に笑え』がウチのテーマですから。接戦をものにすることができるチームになって戻ってきます」。“兄越え”を成し遂げるための戦いは、今日から始まる。

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