鮎川誠さん死去 昨年5月、膵臓がんで余命5カ月宣告もツアー続行「最期の瞬間までロックに身を捧げた」

[ 2023年1月30日 17:46 ]

鮎川誠さん
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 ロックバンド「シーナ&ロケッツ」のギタリストで俳優としても活躍した鮎川誠(あゆかわ・まこと)さんが29日午前5時47分、膵臓がんのため東京都の自宅で死去した。74歳。福岡県久留米市出身。「めんたいロック」草分けの1人として1970年代から活躍し、「ユー・メイ・ドリーム」などのヒット曲も飛ばした。2015年に最愛の妻シーナさんに先立たれたが、遺志を継いで「シナロケ」の活動を続けた。

 公式サイトでは鮎川さんの訃報を伝え、「これまで鮎川誠とシーナ&ロケッツを長年に渡って応援し、愛してくださり、本当に有難うございました。鮎川は1966年の初ステージ以来、現在まで57年間に渡りノンストップでロックンロールを続けてきました」とメッセージ。

 発表によると、昨年5月に膵臓がんが判明。医師から「余命5カ月程」の宣告を受けた。それでも「みんなに心配をかけたくないという強い希望」により病気を公表せず、ライブの合間に治療を続けながら全国ツアーを続行。「自分が死ぬまでの間に1本でも多くシーナ&ロケッツのライブをやりたい」という思いからだったといい、「1本1本のライブに全身全霊を注ぎながら行なってきました」と伝えた。

 「昨年には45周年記念ライブを新宿ロフトで開催し、47都道府県ツアー、沖縄・宮古島でのライブ、ロンドンナイトのクリスマスなど、重いレスポールを爆音でかき鳴らし、病があるにも関わらず、いつも熱いステージで昨年のライブ本数はここ数年で最多でした」と、力を振り絞ってライブを続けてきた鮎川さん。しかし昨年末は内田裕也さんが始めた恒例の年越しライブ「ニューイヤー・ロックフェスティバル」への出演をキャンセル。「昨年末激しい腹痛により一時入院となるも、この1ヶ月間は医師の治療の下、ライブ復帰を目指して自宅で懸命に家族と回復に努めておりました」と闘病を明かした。

 「亡くなる直前まで次に出すアルバムの選曲を考えたり音楽制作に没頭しておりました。最期の瞬間までロックに身を捧げた生涯でした」とし、最期は3人の娘たちに見守られ、眠るように息を引き取ったという。

 2月4日に東京・下北沢の森巖寺で通夜・葬儀を兼ねた「ロック葬」を執り行い、同5日に家族のみで告別式を営む。「どうぞ当日は遠い世界に旅立つ鮎川誠に会いに来て最後の別れの言葉をかけてあげてください」とメッセージを記した。

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