パドレス・ダル、メジャー史上最速1500奪三振!197戦目で偉業達成

[ 2021年6月23日 02:30 ]

ナ・リーグ   パドレス6ー2ドジャース ( 2021年6月21日    ペトコ・パーク )

<パドレス・ドジャース>6回を投げ終えガッツポーズするダルビッシュ(AP)
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 歴史に名を刻んだ。パドレスのダルビッシュ有投手(34)が21日(日本時間22日)、ドジャース戦で6回を2安打1失点で7勝目。11三振を奪い、大リーグ史上最速の通算1500奪三振を達成した。通算303勝で殿堂入りした左腕ランディ・ジョンソン(元マリナーズ)の206試合を上回る197試合目での到達。粘着物質の不正使用の取り締まり強化が始まった初日に、これまで通りの快投を演じた。

 6―1で迎えた6回。ダルビッシュは先頭の代打ソーザを追い込むと5球目に外角高め、86・7マイル(約140キロ)カットボールで見逃し三振を奪った。歴代最多5714奪三振のノーラン・ライアン、4875奪三振で同2位のランディ・ジョンソンらを上回り、歴代最速ペースで1500奪三振に到達した。

 「(記録が)近いことは分かっていました。メジャーの今まででの歴史でも一番速かったということで誇りに思います」

 年齢に応じて球威が落ち、奪三振能力が落ちるのが普通だ。しかし、ダルビッシュはメジャーの実働9シーズン連続で2桁以上の奪三振率(9イニングあたり)。「スピン・アーティスト(変化球の芸術家)」と呼ばれるほど11球種を操りながら研究を重ね、理想の角度や軌道を模索してきた。

 「こっち(米国)に来て最初の頃はスライダーと速いカーブだった。今は全部の球種で三振を取れる。来た時より、もっといい投手になれたかなと」

 初回を投げ終えるとベンチ前で2人の審判から帽子とグラブをチェックされた。この日からスタートした粘着物質の不正使用の取り締まり強化の一環だ。ものの10秒で終了。「初めてのことなので、何もないのはもちろん分かっていましたけど、緊張はしました」と苦笑いした。

 6月初旬に方針が明らかになると、不正な粘着物質の使用を控えたのか、急にボールの回転数が落ちた投手が少なくなかった。しかし、かねて使用を否定していたダルビッシュは何も変わらない。直球なら2500台(1分間あたり)、カットボールなら2700台(同)と、高水準をキープしている。

 メジャーでは右肘手術も経験し「痛みを知った」と言う。負傷した選手に積極的に声を掛けるなど人間的にも成熟した。古巣で同地区のライバルでもあるドジャース相手の快投で7勝目。「正直、僕はドジャースが好きなので対戦することも楽しみ。いつも以上に気合が入るということはある」。本拠の4万2220人の声援に応え、喜びをかみしめた。

 ≪マーに並ぶ米78勝目≫ダルビッシュは米通算78勝に到達し、田中(現楽天)に並ぶ歴代3位となった。2位は黒田博樹の79で、1位は野茂英雄の123。日米通算では171勝目となり、現役では松坂(西武)を上回って田中の179勝に次ぐ単独2位となった。ちなみに歴代最多5714奪三振のノーラン・ライアンは223試合目、1385イニング目で1500奪三振に到達。いずれもベスト5には入っていない。

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