広島・林 誠也「代役」で初4番 2安打もチャンスで凡退「事を起こせたら良かったかな」

[ 2021年6月23日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1ー6ヤクルト ( 2021年6月22日    マツダ )

<広・ヤ(8)>9回2死一、二塁のチャンスで空振り三振に倒れた広島・林(撮影・成瀬 徹)             
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 広島の林晃汰内野手(20)が22日のヤクルト戦で、欠場した鈴木誠の代役として初めて4番に座った。球団で高卒3年目までの起用は同2年目だった90年江藤智以来、31年ぶり。2安打したが3度の得点圏では2三振を含め全て凡退し仕事を果たせなかった。チームは2連敗で借金も今季ワーストに並ぶ13。6月の負け越しも決まった。

 好機での結果を強調されるのが4番だ。鈴木誠の欠場によって巡ってきた自身初の4番。20歳の林は、得点圏で回ってきた打席でことごとく凡退。敗戦によって、その重責を痛感することとなった。

 「やることは変わらないので、4番だからといって気負い過ぎずに入ろうと。3回ともチャンスで打てなかった。それはダメ。三振ではなく、事を起こせたら良かったかな」

 初回2死三塁の先制機で田口の直球を打ち損じ三飛。3回1死一、二塁では3球三振に終わった。9回2死一、二塁でも星のフォークボールに空振り三振に倒れた。打率・550(20打数11安打)を誇る勝負強さが影を潜めた。

 三塁守備でも、2回1死一、三塁で元山の邪飛を捕球できず。失策はつかなかったが、直後に大瀬良が先制打を浴び一挙に4失点。「あのプレーで試合が動いて、点を取られた。しっかりやらないと」と猛省した。

 この日の全体練習前に4番起用を伝えられた。西川や長野、松山ら4番経験者がいるなかで、朝山打撃コーチは「一番状態がいい。鈴木がいない中では林になる」と説明した。近未来の4番に向け、着実に前進していることは間違いない。

 先頭だった6回は中前打し唯一の得点を記録。同じく先頭だった8回は左前打し6試合連続複数安打。いずれも内角球を強振し、振り負けなかった。

 「先頭だったので、そこ(出塁できたこと)は良かった」

 佐々岡監督からは「詰まりながらの安打は、しっかり振れているということ。粗削りながら成長しているし、楽しみ」と責められることはなかった。

 「チャンスで打って帰せるような打者になりたい」
 連続打点は3試合でストップしたが、すべてが今後の糧になる。4番とはいかなるものか――。多くの収穫を得た「デビュー戦」だった。(河合 洋介)

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2021年6月23日のニュース