2番抜てき大当たり!栗原 延長劇的サヨナラ打 ソフトバンクが4年連続白星発進

[ 2020年6月20日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2-1ロッテ ( 2020年6月19日    ペイペイD )

<ソ・ロ>10回2死三塁、サヨナラ適時打を放った栗原(背番31)はナインから祝福を受ける(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクは本拠地ペイペイドームにロッテを迎え、「2番・一塁」で出場した栗原陵矢捕手(23)が延長10回、劇的なサヨナラ打を放った。プロ6年目で初の開幕スタメンの座をつかんだ男が、攻撃的2番を置いた首脳陣の期待に応えた。チームは2年連続の開幕延長サヨナラ勝ちで、開幕戦4連勝を飾った。

 お立ち台で喜びを無人のスタンドに叫び続けたあと、工藤監督から「抱きしめてやれないけど」と声を掛けられた栗原は、2人で肘と肘をぶつけ合った。

 「始めは緊張して思う打撃ができなかったけど、何とか、何とかしてやろう!と思って打席に入った。本当に、うれしかったの一言に尽きますね」

 1―1での10回2死三塁。6番手・小野の149キロ、真ん中高め直球に素直に反応。中前へのサヨナラ打を放った。

 「ワー!とみんなで盛り上がりたいけど皆さんとハイタッチらしいことができて良かった」。ソーシャルディスタンスを取り、エアタッチで喜び続けた。

 高卒6年目で初の開幕スタメンは「2番・一塁」。朝、平石総合コーチに告げられた。工藤監督には試合前に「何があっても責任を取るから。楽しんでやればいいんだよ」と言われていたが6回の第3打席まではロッテ先発・石川の前に2三振、投ゴロ。硬さは取れなかった。ベンチ内で、柳田には「リラックスー、とにかく行けよ!」。今宮には「とにかく振れ。何でもいいから振っていけ」。個性的な激励を受けて4回守備から吹っ切れた。8回1死二塁で初安打となる左前打。そして勝負強さ、強打は戻った。
 工藤監督は「彼の成績、調子で、つながりある攻撃的打線を組んだ場合、2番だなと。彼自身頑張ってきたこと、苦労が実った。捕手、内、外野で可能性を探ってきたが、あっぱれ。良くやった」と称えた。

 3時間47分間を戦い抜き5打数2安打1打点、1盗塁と結果を残した。栗原はヒーローとなっても持ち前のガツガツさは衰えない。「一試合一試合を、全部出る気でいきます」。さらに自主練習期間中の“おうち時間”では、映画「ワイルドスピード」のシリーズを全部、観賞した。野生味にあふれ、ワイルドな男。3年ぶりのリーグ制覇を狙う上で、残り119試合に必要な力だ。

 ≪2年連続の延長サヨナラ勝利は初≫ソフトバンクが延長10回サヨナラ勝ち。チームは昨季も開幕戦を延長11回サヨナラ勝利で飾っているが、2年連続の開幕戦サヨナラ勝利は史上3球団目で、2年連続の延長サヨナラ勝利はソフトバンクが初めてだ。

 ◆栗原 陵矢(くりはら・りょうや)1996年(平8)7月4日生まれ、福井県出身の23歳。春江工(現坂井)1年秋は神宮大会4強に進出し、2年春のセンバツは初戦敗退。14年ドラフト2位で入団した。昨季7月23日のロッテ戦でプロ初本塁打を放った。捕手登録だが、一塁や外野もこなす。1メートル79、75キロ。右投げ左打ち。

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