広島・大瀬良“独壇場”1失点完投&プロ初本塁打で快幕の主役!佐々岡監督に初白星プレゼント

[ 2020年6月20日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-1DeNA ( 2020年6月19日    横浜 )

<D・広>DeNAに完投勝利し佐々岡監督に迎えられ笑顔を見せる大瀬良(左)(撮影・会津 智海)
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 広島の開幕投手を務めた大瀬良大地投手(29)は、1失点完投勝利を挙げた。2年連続での開幕戦の勝利投手は、82年から3年連続だった北別府以来。9回には、自身初本塁打となる2ランを放って、初采配だった佐々岡真司監督(52)に初勝利を贈った。

 大瀬良は、半年前に贈られたプレゼントのお返しに、指揮官に初星を贈った。球団では05年黒田以来となる開幕戦での完投勝利で、今季の12球団初。マウンド上での今季を象徴するエアハイタッチには、疲労と安どの表情が混ざった。

 「直球が走っていなかったので、低めに丁寧に集めようと思った。雨でぬかるんでいたので、いつもの力感とは変えました」

 失点は、2回1死から許したロペスの先制ソロのみ。3回から4イニング連続での3者凡退と立て直した。開幕延期後に完全習得を目指したシュートは、「練習試合では左だけだったけど、ぶっつけ本番」とソトら右打者にも投げた。8回終了時点で83球の省エネ。9回2死からソトに17球粘られて初四球を出し最後は116球まで増えたが、被安打4で気持ちよく雨に濡れた。

 打っても主役だった。5回に今永から同点打を放つと、2―1の9回には、国吉から自身初本塁打となる2ランを右翼ポール際に決めた。「いつか打ちたいとは思っていたけど、こういう試合で打てるとは…」。ささやかな願望は、大舞台でかなった。

 昨年12月末、真由さんとハワイへの新婚旅行に出かけていたときだった。24日のクリスマスイブ。日付けが変わった直後にLINEに着信が入った。送信相手は「佐々岡監督」とある。送られた文面を開くと、開幕投手を託すと書かれていた。

 新監督からのクリスマスプレゼントだった。ハワイと日本との時差は19時間ある。日本から見れば、同24日19時。時差を計算した上で送信した監督なりの粋な計らいだった。「就任したときから大地と決めていた」。早めに伝えることで、投手陣の先頭に立ってほしいとのメッセージも込めた。指揮官も4度の開幕投手を経験。投手出身監督ならではのサプライズに、これ以上ない結果で応えた。

 2年連続の開幕戦での勝利投手は、球団では82~85年の北別府以来となった。「何とか(佐々岡監督の)最初の試合をいい形でできた。これからも続けていきたい」。指揮官と大瀬良との物語は、理想の形で始まった。(河合 洋介)

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